シーレーンという妄想。[海運の国際化]「『日の丸』の影が薄れる外航船」

 7月18日付・読売社説が日本船籍の商船の激減問題を取りあげています。
 以前からぼくも著書では、政府は日本国籍の商船、日本人船員の増加策を取るべきだと主張してきました。

 ところがなんと昨年、日本の商船会社保有に外洋航路船の1896隻中、商船日本本籍の外航船がついに100隻を割ったそうです。そして日本人の外航船員も3000人の大台確保が危うくなっています。

 現在日本の海運会社の多くの商船は税金の安いパナマやリベリアなどの外国籍であり、乗組員のほとんどはフィリピン人など外国人です。船長以外、全部外国人という船も珍しくありません(日本籍の場合、船長、機関長は日本人と決められています)。

 「日本船主協会の試算では、23人が乗り組む標準的な貨物船に、2人の日本人が乗船すると、全員が東南アジア人の船に比べ、船員費が約1・8倍になる。1隻につき年間約5400万円のコスト増だ。」そうです。

 「欧州各国は、自国または欧州連合(EU)加盟国の国民を船員にすることを条件に、海運会社に大胆な減税制度を導入している。安全保障のため、最小限の自国船員を確保する政策だ」だそうです。我が国も見習うべきでしょう。

 前から述べているのですが、こういう実体をみれば、前からぼくが主張しているようにシーレーンなるものは存在しないわけです。いまのままなら戦時において我が国向けの輸送船はとまってしまうからです。
 誰が撃沈されるのを覚悟で日本へ物資を運びますか。それは外国人船員がだけではなく、日本人でも怪しいものです。現に日本の航空会社のパイロット連中は「戦争協力」はしない、と紛争地からの邦人救出ですら拒否しているヘタレ揃いなのですから。

 となるとシーレーン防衛を主任務の一つととしている海上自衛隊のレーゾンデートルも怪しなくるわけです。

 やはり、防衛庁や国交省が商船会社に補助をおこない、海自や海保の退役者から予備役登録したもの、商船大学卒業生で予備役将校を志すものに関してはその人件費を補助する、足の速い商船の建造には補助金を出すなどの措置が必要でしょう。
 また、日本人船員にも戦時に協力すること約束したには、政府が給料を補助金で補填するというのもありでしょう。
 また、外国人船員も含めたの国策PMCのような組織をつくり、戦時における商船クルーの確保するのも一手ででしょう。

(2005年7月18日1時43分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20050717ig91.htm

この記事へのコメント

らりぱ
2005年07月18日 20:38
もっともな提言だと思いますが、それらが功を奏する前に、ロボット船が出現するのでは?。
 マラッカ海峡を通り抜ける必要のある中東向けタンカーならまだしも、太平洋航路の貨物船なら技術的困難さは無いに等しいですし、外国人船員の給料すら削減するために。
 そして船内にいるのは、海賊対策の警備ロボットのみ(海賊対策には潜水航行の方が効果的ですかね?。LNGや石油が積荷なら、より安定するし)。
キヨタニ
2005年07月18日 21:01
20年後はわかりませんが、当面は完全自律のロボット商船の登場は無理でしょう。もっとも現在の商船はかなり自動化が進んでいますが。 ですが、あらゆる不測の事態の解消をロボットに託すのは人間のメンタルな面でも不安が残るでしょう。またハッキングによるシージャックなどの可能性もあるでしょう。
 現在USVやUUVなどの開発はかなり進んではいます。ですが、見本市などでメーカーなどの話を聞いるかぎり、大型船の完全自律化は当面難しいというのがぼくの意見です。
 あと潜水タンカーですが、船殻構造や機構が複雑になるのでコストが高くなるので軍用輸送艦はともかく、商船では難しいのではないでしょうか。

 大石氏あたりがこういうシュチュエーションで小説をかいてくれたら面白いと思います。

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