攻撃ヘリの代わりにターボプロップの軽攻撃機、という選択。その2
さて、前回ターボプロップ機である、スーパーツカノを紹介しました。
この種のターボプロップ攻撃機は攻撃ヘリよりも遙かに高速です。それ故ヘリより進出速度が高い。速度が速いということは地上からの対空攻撃に捕捉されにくい、つまりは生存性が高いということです。しかも座席射出機などを備えていれば尚更です。
しかも最大航続距離もヘリに比べて概ね三倍です。つまり長駆して作戦行動や、長時間にわたって哨戒活動、あるいは味方地上部隊上空に待機が可能です。この足の長さは島嶼防衛に於ける作戦においても有用でしょう。
しかも攻撃ヘリでは運用できない精密誘導爆弾などによる攻撃も可能です。また敵のUAVやヘリコプターの迎撃にも有用です。空対空ミサイルの搭載はもちろん、機銃も搭載していますかこれらを安価に攻撃できます。特にヘリ攻撃、あるいは味方のヘリの護衛には有用だと思います。
調達や運用コストにしても、アパッチのような攻撃ヘリよりも低いです。
また、ジェット戦闘機と比べると低空、低速での運動性に優れています。無論調達及び運用コストでもジェット機と比較すれば極めて安価です。また前線の短い滑走路からでも離発着が可能です。
現在我が国においては敵が連隊規模で揚陸してくるような状況はほぼ皆無でしょう。むしろ島嶼への侵攻やゲリラ・コマンドウによる浸透といった状況の方かはるかに起こる可能性が高いと言えます。しかも防衛費がこのさき大幅に増えるという可能性もあまりなさそうです。
このような状況を鑑みれば、攻撃ヘリの代わりにターボプロップ軽攻撃機を導入することはオプションとして考慮すべきだと思います。しかも60余機を導入する予定だったアパッチは13機で調達打ち止めです。
無論攻撃ヘリには攻撃ヘリのメリットもあります。ですから現用のAH-1Sの定数を半分に減らし、これらに近代化を施して残りをパーツ取り用として利用する。そうすれば新たな攻撃ヘリを導入するより経費も安く抑えられます。
アパッチはボーイングに売りつけて(形としては返品ということにすれば武器輸出になりません)米軍あるいは第三国に転売してもらう。
まあ新しい攻撃ヘリが欲しいなら南アのロイホックがお勧めです。機体はアパッチ並に大きいですから、エンジンや装甲を強化するなども容易です。ライセンス生産を行ってそれらの改良を国内メーカーにやらせれば国内産業の仕事も増えます。しかも元来南アの機体ですから整備・運用コストが極めて安く、前線での整備性も優秀です。アパッチに比べれば運用コストはかなり安く済みます。
何よりもとより低い南アのラントが安くなっています。昨年8月時点で17円ほどだったのが、今や11円ほどです。極めて安く調達ができます。
また専用の攻撃ヘリをあきらめて、汎用ヘリに武装を施した武装ヘリを選ぶのも一手です。無論生存性は劣りますが、汎用ヘリと整備や訓練を共有化できるので、ライフサイクルコストは安いし、物資や人員の輸送どにも使えるという汎用性があります。現在の主たる脅威、予算の上限を考えれば武装ヘリは考慮にいれるべきでしょう。少なくとも1機200億円を超えるような攻撃ヘリを調達運用するよりは遙かにましなオプションだとおもいます。
エンブラエル スーパー・ツカノ
この種のターボプロップ攻撃機は攻撃ヘリよりも遙かに高速です。それ故ヘリより進出速度が高い。速度が速いということは地上からの対空攻撃に捕捉されにくい、つまりは生存性が高いということです。しかも座席射出機などを備えていれば尚更です。
しかも最大航続距離もヘリに比べて概ね三倍です。つまり長駆して作戦行動や、長時間にわたって哨戒活動、あるいは味方地上部隊上空に待機が可能です。この足の長さは島嶼防衛に於ける作戦においても有用でしょう。
しかも攻撃ヘリでは運用できない精密誘導爆弾などによる攻撃も可能です。また敵のUAVやヘリコプターの迎撃にも有用です。空対空ミサイルの搭載はもちろん、機銃も搭載していますかこれらを安価に攻撃できます。特にヘリ攻撃、あるいは味方のヘリの護衛には有用だと思います。
調達や運用コストにしても、アパッチのような攻撃ヘリよりも低いです。
また、ジェット戦闘機と比べると低空、低速での運動性に優れています。無論調達及び運用コストでもジェット機と比較すれば極めて安価です。また前線の短い滑走路からでも離発着が可能です。
現在我が国においては敵が連隊規模で揚陸してくるような状況はほぼ皆無でしょう。むしろ島嶼への侵攻やゲリラ・コマンドウによる浸透といった状況の方かはるかに起こる可能性が高いと言えます。しかも防衛費がこのさき大幅に増えるという可能性もあまりなさそうです。
このような状況を鑑みれば、攻撃ヘリの代わりにターボプロップ軽攻撃機を導入することはオプションとして考慮すべきだと思います。しかも60余機を導入する予定だったアパッチは13機で調達打ち止めです。
無論攻撃ヘリには攻撃ヘリのメリットもあります。ですから現用のAH-1Sの定数を半分に減らし、これらに近代化を施して残りをパーツ取り用として利用する。そうすれば新たな攻撃ヘリを導入するより経費も安く抑えられます。
アパッチはボーイングに売りつけて(形としては返品ということにすれば武器輸出になりません)米軍あるいは第三国に転売してもらう。
まあ新しい攻撃ヘリが欲しいなら南アのロイホックがお勧めです。機体はアパッチ並に大きいですから、エンジンや装甲を強化するなども容易です。ライセンス生産を行ってそれらの改良を国内メーカーにやらせれば国内産業の仕事も増えます。しかも元来南アの機体ですから整備・運用コストが極めて安く、前線での整備性も優秀です。アパッチに比べれば運用コストはかなり安く済みます。
何よりもとより低い南アのラントが安くなっています。昨年8月時点で17円ほどだったのが、今や11円ほどです。極めて安く調達ができます。
また専用の攻撃ヘリをあきらめて、汎用ヘリに武装を施した武装ヘリを選ぶのも一手です。無論生存性は劣りますが、汎用ヘリと整備や訓練を共有化できるので、ライフサイクルコストは安いし、物資や人員の輸送どにも使えるという汎用性があります。現在の主たる脅威、予算の上限を考えれば武装ヘリは考慮にいれるべきでしょう。少なくとも1機200億円を超えるような攻撃ヘリを調達運用するよりは遙かにましなオプションだとおもいます。
エンブラエル スーパー・ツカノ
この記事へのコメント
意見表明をしてくれ
お願いします
日本の危機なんですよ
私は、多額の費用を費やす割に、実効性の乏しい(と思っていますが)BMD配備より、先にやることがあるような気がしています。
結局日本人の整備では人件費が上がるから一概に比較は出来ないですね。
なにより友好関係次第で有事の際に部品供給してくれるかが疑問だから個人的には内国産がいいなぁ
単純な価格やカタログ値挙げるより、プロならもっと中身のある文章を期待します。
ヘリと固定翼機じゃ当然飛び方も使い方も違うだろうに、その辺はどう考えてるんだろうか。
「Counterinsurgency requirements could see the return of turboprops to combat」という記事が載っています。
ここでは米SOCOMや空軍もターボプロップのCOIN機に興味を示していることや、そのメリットが書かれています。
現在米軍でも地上部隊は既存のジェット攻撃機や攻撃ヘリによる対地支援には随分と不満があるようです。
もっとも米軍自体がこの種の機体を保有するのではなく、同盟国やイラクやアフガンに持たせようという意見が強いようです。
>もっとも米軍自体がこの種の機体を
>保有するのではなく、同盟国やイラ
>クやアフガンに持たせようという意
>見が強いようです。
この部分が全てなんじゃないですか? 要するに対空脅威レベルの低い戦場に限定されたゲリコマ戦用って事でしょう。この条件だと日本の戦場では全く使えないですね。大規模着上陸ではなく島嶼戦などを想定しているにしても、予想されるのは敵正規軍の特殊コマンドになりますから、装備レベルは高く、携行SAMは潤沢に持ち込んでくるでしょう。なにしろ北朝鮮の不審船にすらSA-7グレイル積んでありましたからね。北朝鮮程度の特殊部隊でも、携行SAMは持っていると考えるべきです。そうすると有人のCOIN機で攻撃に行くのは危険です。自殺しに行くようなものですね。どう見ても無人機の方が良いと思いますよ。実際に防衛省では検討していましたしね、武装プレデター。
・空戦1
・地上砲火2(うちPSAMで1、小火器で損傷破棄1)
・空襲3
・破壊工作6
・鹵獲11(小破含む)
・事故1
・不明1(洋上哨戒中に消息不明)
一方で同時期に配備されたMi-24ハインド攻撃ヘリは現在でも主力です、MiG-27MやクフィルC2のような本格的な戦闘爆撃機では攻撃が大雑把になるので、ハインドによって入念な掃討攻撃を行うわけです。
この事例を見ても清谷さんの唱えるCOIN機導入論が荒唐無稽かよく分かると思いますよ。相手のゲリラの装備がライフルやM2機関砲程度なら活躍できても、携行SAMを持つようなレベルになるともう通用しないんです。
>浸透といった状況の方かはるかに起こる可能性が
>高いと言えます。
●ゲリコマ・・・スリランカ空軍のプカラ軽攻撃機はゲリラ(タミル・イーラム解放のトラ)相手に全滅。
●島嶼防衛・・・アルゼンチン空軍のプカラ軽攻撃機はフォークランド島でイギリス軍相手に全滅。
清谷さんはこのことを知っているのだろうか? 知っていたら攻撃ヘリの代わりにCOIN機だとか言えない筈です。
タダでさえ予算削減が目に見えているのに(人員削減も)…
飛行単位辺りのコストは安いとは思うが日本には必要ないでしょう。
まあ導入すれば他の予算が削られるのが関の山なので
どうしてもって言うのなら空自のT-7?を改造できるようにしておけば??
江畑さんも同様の提案をしていますよね。
>
>江畑さんも同様の提案をしていますよね。
COIN機の導入には江畑氏も触れてはいるが、けして清谷氏と「同様」の提案ではないな。
江畑氏は乗員の生存性重視してUAVを推しているが、清谷氏の主張は生存性よりもコストを重視しているようにしか見えん。
UAVに関して言えばリアクションが遅いとか高度な機動ができないとか、速度が遅いとかいまだ有人機にはかなわない部分もある。
U
してません。まず既存の練習機の改造を挙げており、清谷さんの言うような「攻撃ヘリの代わりに新型COIN機を導入せよ」ではありません。しかもこのような主張の続きがあります。
『対ゲリラ戦機は低空を低速で飛行し、何度も同じところを通過する必要があるために、地上からの攻撃で被弾する可能性が大きいから、乗員に対する十分な防弾措置を講じておく必要がある。当然、そう簡単には撃墜されないような設計、構造上の配慮も必要である。
その点、UAVなら(簡単に撃墜されては困るが)、被弾による人的被害の懸念がない。』
つまり撃墜され難い重装甲が施せないようなら、UAVのほうが良いよと勧めているのです。ちなみにスーパーツカノに防弾板は有りません。
T-7では全然使い物になりませんわ。だってスーパーツカノの半分の出力でしかなく、射出座席も付いておらず、装甲は皆無で機体構造も弱く、速度は下手をすればヘリよりも遅い。まぁ、死にに行くようなものですね。
要するに江畑さんは「T-7をどう改造しようと十分な防弾措置を講じられない」からこそUAVなら人的被害の懸念が無い、という話をしているのでしょうね。UAVについての言及の無い清谷さんとの大きな違いです。
日本列島を防衛するのにCOIN機では無意味。四方を海で囲まれ、縦長の島国です。都市や山岳地帯でも建物の立地状態や森の植生状態により、ヘリコプターや無人機の方が向いてる。
護衛艦に乗せられる攻撃ヘリを作るか、いっそヘリで島の防御など諦めてF2に任せるか。
UAVUAVとは言うが、あれだって鉄砲玉みたいに撃墜前提で使っていいわけではないし。