陸自は戦車が300車輛「も」あっても使いこなせない。

 
 巷では陸自の戦車が400輛から300輛に減らされることについての是非が論じられています。

 とりあえず陸自の兵站が非常に貧弱であることはおいておても(本当は置いておいちゃダメなのですが)も陸自の予算では戦車を300輛も運用できません。

 まずこれまで74式にしても90式にしても必要な近代化が施されずに、10式を調達しています。これは端的に言って、近代化するカネが無いからです。
 もっとはっきり言うと、どうせ戦争なんぞ起こるものかと高をくくっていたからです。

 その間戦争が起こったらどうするんでしょうかね。

 お優しい「侵略国」は騎士道精神を発揮して、10式が戦力化するまで待ってくれるというのでしょうか。

 よく近代化よりも新型を導入する方が安いという人がいますが、40年以上も数の上では主力の74式を放置して旧式化にまかせていいわけがありません。
  であれば74式は数を減らしても近代化を施しておくべきというのがまともな軍隊の判断でしょう。
 

 国土防衛の最後の砦は機甲戦闘部隊だ言う人がいますが、陸自にマトモに機甲戦ができる部隊は存在しません。


 唯一の機甲師団である第7師団の第11普通科連隊でさえも、歩兵戦闘車は僅か68輛です。すべての中隊が歩兵戦闘車を備えることもできませんでした。陸自は装軌式のAPCである73式を装輪式の96式で更新していますが、96式は事実上舗装道路専用の装甲車で不整地で戦車に随伴することは不可能です。北海道では尚更です。

 96式120ミリ自走迫撃砲にしても24輛に過ぎまず、これまた第7師団専用。しかも射撃時の反動吸収装置もない原始的な代物です。

 87式自走高射機関砲は52輛で一部は第2師団に配備されていますが、殆ど第7師団専用。よく74式の足廻りは寿命だという人がいますが、それならば87式自走高射機関砲の足廻りも寿命でしょう。

 82式指揮通信車も不整地走行性能が低く、これまた戦車部隊に随伴できません。

 しかもこれらの装甲車輛は調達が開始されてから、まともな近代化も電気系系統のリファブリッシュなども行われておらず、性能的にも、稼働率の麺でも大きな問題があります。
 そのような予算さえも陸自は手当できないのです。


 それとも何ですかね。戦車さえあればその他の装甲車はボロでも戦争に勝てるんでしょうかね。


 偵察部隊や普通科では戦術UAVも殆ど配備されておらず、ターゲットロケターなども未だにありません。暗視装置は旧式化、偵察データをデータで機甲部隊に送ることも勿論できません。
 
 特科にも普通科の120迫にも精密誘導弾は未だに導入されていません。

 前線で精密誘導兵器を誘導する部隊の編成もこれからです。21世紀になって10年以上たているのですが、どこが先進国の軍隊でしょう。中国よりも遅れています。

 偵察用のヘリ型UAVは高額なために数が揃わず、信頼性が低いために先の大震災という「実戦」では一度も使用されませんでした。

 戦車部隊は自分たちに見える範囲の情報、つまり3キロ程度の情報しか取れません。これでは近代的な敵と遭遇すれば一方的にアウトレンジから攻撃を受けます。

 しかも偵察用のバイクの数も稼働率も言うのをはばかるぐらいに落ち込んでいます。アナクロな偵察力も相当問題ありです。

 施設作業車の配備も遅々として進んでいません。前線での陣地構築や道路啓開は必要なのでしょうか。

 内地の部隊については何をや言わんです。戦車に随伴するのは軽装甲機動車か非装甲の高機動車で、その他の随伴装甲車輛は殆どありません。

 タンクトランスポーターも戦車連隊に2~3輛で、稼働率もかなり怪しいレベルです。これでどうやって連隊単位で戦略機動を行うのでしょうか。 

 つまり現状ですらまともな機甲戦を行うことは不可能です。

 また陸自の戦車は10式に至っても正面以外の装甲は薄く、ゲリラ・コマンドウ対処には向いていません。本来より厚い装甲、RWS、狙撃探知機なども必要です。ゲリコマ対処に適した近代化も必要ですが、陸自にはそのカネも、近代化するきもないでしょう。

 10式の装甲は十全であり、他国の3・5世代戦車を凌ぐと考えている人が未だにいますが、それは単なるも妄想です。たった数センチの圧延鋼装甲でタンデム弾頭やら、地雷を防げると信じるは宗教です。


 しかもご案内のように、兵站は極めて貧弱で有事に燃料や弾薬、食料がマトモに補給できることは期待できません。
兵站をマトモに機能させるためには、今の3倍ぐらいの兵站用の予算は必要でしょう。
 それとも弾薬も燃料も、食料や医薬品がなくとも、新型戦車があれば戦争勝てるんでしょうかね?

 3自衛隊の予算は海空重視に振り向ける必要があります。つまり陸自の予算は減らす必要がある。 その上で、陸自を近代化するならば部隊を縮小するしかないでしょう(併せて高齢隊員のリストラ、基地の統廃合も勿論必要です)。

  唯一の方法は機甲科含めて陸自全体の固定費を削減し、近代化を捻出するしかありません。

 であれば部隊を縮小するしかありません。

 C4ISRや普通科の近代化、空海の近代化、統合運用、海兵旅団の新設などカネはいくらでも必要です。

 現状は手取り30万円で、サラ金借金したりカードのリボ払い抱えているサラリーマンが、手取り100万円のような生活をしているような状態です。

 本来100の能力が期待される部隊10個が30の能力しなか無いよりも、100の能力が3~4個の方が精強ですよ。

  予算という現実の制限を無視し議論しても建設的な議論にはなりません。
  
  このような現実を鑑みれば陸自の戦車は300輛でも多すぎます。機甲科にまともな近代化を行うのであれば更に削るべきです。それも10年後の大綱終了を待たずに。時間もこれまた極めて有用な資源です。

 予算の制限を無視し、兵器の好き嫌いを元に、リアル社会の軍事を語り、財務省や政治家の悪口をいって溜飲をさげているような議論は不毛です。
 それが許されるのは中学生ぐらいまでで、まともな大人=納税者として議論をすべきです。

 
 

>新しいウェブニュースサイト、NEXT MADIA Japan In-Depthに寄稿しております
[仏パリ“ミリポール”リポート]防衛産業の輸出を阻害しているのは防衛産業を擁する大企業トップの無知蒙昧と保身
http://japan-indepth.jp/?p=1508

続報】「皆様のNHK」の誠意に疑問①〜問題が発生したら無視を決め込む公共放送は許されるのか
http://japan-indepth.jp/?p=1480
【続報】「皆様のNHK」の誠意に疑問②〜外国メディアやフリーランスに下げる頭はないという本音
http://japan-indepth.jp/?p=1483

調達自体が目的化した陸上自衛隊の10式戦車は税金の浪費〜根拠のない国産兵器崇拝は一種のカルト
http://japan-indepth.jp/?p=1404
陸上自衛隊の遅れた設計思想に疑問〜戦車だけで敵に勝てるのはゲームの中だけ
http://japan-indepth.jp/?p=1392

陸上自衛隊の時代遅れな最新型戦車」の量産に疑問〜1千億円の開発費と毎年10輛・150億円に効果はあるか①
http://japan-indepth.jp/?p=1255
陸上自衛隊の時代遅れな「最新型戦車」の量産に疑問〜1千億円の開発費と毎年10輛・150億円に効果はあるか②
http://japan-indepth.jp/?p=1282
陸上自衛隊の時代遅れな「最新型戦車」の量産に疑問〜1千億円の開発費と毎年10輛・150億円に効果はあるか③
http://japan-indepth.jp/?p=1285
朝日新聞のWEBRONZA+に以下の記事を寄稿しています。
日経が伝えないトルコとの戦車エンジン共同開発の真実(上)――トルコの狙いは何か?
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013112500006.html
日経が伝えないトルコとの戦車エンジン共同開発の真実(下)――日本がパートナーを組むべき国はどこか?


アベノミクスで食材偽装が増える?
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013111100009.html


機動戦闘車は必要か(上)――島嶼防衛にもゲリラ・コマンドウ対処にも不向き
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013103100010.html?iref=webronza
機動戦闘車は必要か(中)――脆弱な防御力
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013110100004.html?iref=webronza

陸自の「水陸両用部隊」は米海兵隊の劣化コピーでいいのか(上)――不足する情報収集
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013102300007.html?iref=webronza
陸自の「水陸両用部隊」は米海兵隊の劣化コピーでいいのか(中)――参考になる英海兵隊
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013102400005.html?iref=webronza
陸自の「水陸両用部隊」は米海兵隊の劣化コピーでいいのか(下)――自衛隊はプロ集団の英海兵隊に学べ
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013102500005.html?iref=webronza

この記事へのコメント

ブリンデン
2013年12月04日 19:18
清谷様

予想以上に陸自の車両は稼働率が低いようで、驚いています。

現状、政府は、陸自を災害救助部隊と位置づけているため、部隊をある程度、各地に配置していうるように思うのですが、その点、清谷様はどのようにお考えでしょうか。
マリンロイヤル
2013年12月04日 19:46
最近の防空識別圏設定にしても、自衛隊には戦争をする能力が無いのを見透かして行動してるのに、安倍政権になっても正面装備の話ばかりで危機感が無いですね。
2013年12月04日 21:38
戦争になる前に、大規模災害にも対応できないわけですからどうしようもないです。東日本大震災では一時的に軍事主導で補給線を確保すべきでした。津波で役所を流された自治体は指揮系統を失っていました。復旧するためのリソースもありませんでした。民間は善意で独自に支援を試みていましたが、あれだけの規模の災害時においては混乱に拍車をかけるだけでした。「野戦キャンプを応用すれば仮設の役所を数ヵ月くらいは維持できなかったのか?なぜ出光興産やJR、流通小売各社などの民間物流システムに物資輸送を任せたのか?野戦病院を設営して、軍民合同の医療活動できなかったのか?避難所に隊員を配置すれば、通信網くらいは初動段階で構築できないものか?」あの時はまだ私も自衛隊に期待していました。統合任務部隊司令部のノロマな動きに唖然とする在日米軍将校の姿を思い出しました。
2013年12月04日 22:20
>部隊をある程度、各地に配置
軍事面からみれば徒歩や馬匹で移動の明治時代の発想で完全に時代遅れです。
災害などにそなえるのであれば、例えば完全な戦闘師団を3個ほどに集約し、その他は小銃とトラック程度の後方警備と災害救助用の二線級部隊にすればよろしいでしょう。
ドナルド
2013年12月05日 00:18
清谷様

陸自の内情に詳しいわけではないのですが、今回のご意見には全面的に賛成いたします。

私のような素人でもはっきりと分かることは、
・総人員に占める前線要員の人数が(他国と比較して)異常に多い(30-50%多い)ことから、後方=兵站の軽視は明らか
・戦車トランスポーターの数が足りないのも明らか
・「数の上では主力」と言われる74式戦車に、パッシブ暗視装置の搭載すら怠ったまま2010年代まで来てしまった事実(アクティブ暗視装置は、諸外国では2000年を境に絶滅した)から、「今すぐ有事が来たら」という視点が全くないのも明らか
・旅団の大隊(650人なのになぜか連隊と呼ばれ一佐が指揮)と、師団の連隊(1100人)を併存させているのが、訓練上も兵力機動運用上も「誰がどう見たって明らかに」不利であるのに、永年にわたって放置し続けて来た不合理

などなど(もっとあります:苦笑)

つまり、陸自の現状の問題を理解するのに、「玄人」あるいは「その道に詳しい」必要は全くない訳です。明白におかしな編成、装備体系が多数残っています。現状の防衛大綱見直しが、相変わらず正面装備に偏っている現状は、私自身かなり落胆しています。言い換えると、「陸自さん、どうせ本気じゃないのなら、もっともっと削っていいんじゃないかな」と思っています。
ゆう
2013年12月05日 08:16
陣地防御を基本としている陸自としては効率的なのではないでしょうか>各地へ配備
敵の上陸が予想される地点に陣地を作っておくにはやはり部隊を貼りつけておいた方がいいでしょう
機動師団?が橋頭堡に突撃すればOKと言われるかも知れませんが…

あと、時代遅れと言われるかも知れませんが、土地勘は大切です(地元だとS2・S3系列がせっせと走り回って情報収集してます)
きらきら星
2013年12月05日 09:17
戦争用に近代化された現役部隊を少数維持し、
災害やゲリコマ対処用に軽装備の予備役部隊を全国に配置するのがベターだと思います。
とにかく戦争であれ災害であれ、事実上現役隊員しかアテに出来ない今の体制はマズイですよ。
戦車屋
2013年12月05日 18:55
陸自は専守防衛ならぬ戦車防衛ですな。三菱重工への天下りが続くかぎり、戦車防衛は続くんでしょう。
ブロガー(志望)
2013年12月05日 22:41
お邪魔します。
 思うに最大のネックは「簡単には変われない(特にある程度年を取ったら)」かつ「スクラップ等にはできない」”人間”なのではないかと思います。かつてスターリンが(共産党の軍隊である)赤軍を思い通りに動かすために粛清を行いましたが、陸自も粛清というか「(あるところから上の)人間の全取替」が必要なのではないでしょうか(今までと同じ事を同じように続けない以上)。
 農事法人を設立して最初に行ったのが「農業機械のリストラ」であったとTVで見た事があります。
第9
2013年12月06日 05:09
コスト削減って言っても10式戦車だと300両に開発費入れても新型イージス2隻未満のコストですよね

日本は最後に戦ったの第2次世界大戦ですが戦車不足で損害増やしたトラウマでも残ってるんじゃないですかね
大戦後に戦車が無かった戦争はあっても戦車が役に立たなかった戦争は無いですし
装甲車は所詮戦車の役割を一部代替する装備でしか無いので戦車が有るに越した事はないでしょう
ひゃっはー
2013年12月06日 08:54
ブロガー(志望)様へ
ご存じだと思うのですが、そんなのシャープやグリーでもやってます。なぜ、どこの組織でもやってることを陸自はやらないのかといえば、本気で戦争をするつもりがないから、といわざるを得ません。
きらきら星
2013年12月06日 09:58
残念ながら陸自に装備のリストラは出来でも偉いさんのリストラは出来んでしょう。
偉いさんが自分で自分のクビを斬るなんてやるわけない。
災害派遣で人手が足りんのはその分部下をこき使えば済むことだし(済ませるなっちゅーの)
よっぽど破滅的な外圧が陸自にかからない限り無理ですよ。
2013年12月06日 17:42
90式はレオパルト2に憧れた人たちが開発を推進したそうです。90式の車内が狭くて電子機器の追加装備が困難だとしたら、なぜわざわざ全幅を狭くしたんでしょう。北海道限定ならフルスケール(全幅約3.7m)でパクれば良かったのです。第3世代戦車としては後発なのに、真っ先に旧式化することだけでも納税者に対する裏切りです。いろいろ理由をつけて90式の重量を問題視して強引に10式を開発できるなら、なおさら90式はレオパルト2を完全コピーすればよかったでしょう。世界的には改良に対応できることは兵器として重要ですが、国際市場に揉まれない弊害なのか、日本はすぐに新しい「玩具」に飛びつきます。レオパルト2はA6まで改良を重ねている例を挙げると、「60トンを超えているから参考にならない」みたいな屁理屈で返されてしまいます。見倣うべきは60トンという値ではなく、次世代型のビジョンが固まるまでは現行型を改良する姿勢です。10式のことを堂々と次世代型と言いきる人に理解不能かもしれません。
マリンロイヤル
2013年12月06日 17:49
第9さんへ
戦車は乗用車と違って、動かせば必ず故障する乗り物です。キチンと整備修理して稼働させる能力の方が、戦車そのものの性能、大砲の口径がちょっと違うの何のよりも重要です。高性能を謳う正面装備を並べておけばOKだったのは冷戦までの話、今は実際に戦えるかどうかが問われています。中国は明らかに、自衛隊に継戦能力が無いのを見透かして行動しており、非常に危険な状態です。
たて×ほこ
2013年12月06日 18:59
戦車はシリアの動画を見ると戦車は個人携帯のロケット砲弾などに弱いですな。対抗策として「爆発反応装甲」などががあるようですが戦争予定のない陸自は装備しているんですかね。天下り仕様の戦車はブリキ仕様でいいと思いますがね。
2013年12月06日 21:08
戦前や冷戦中期までの日本でわ、中戦車やMBTは兵站が弱いからMBTを積極配備しない方向でした。
それが80年代の冷戦末期の軍拡でほとんど政治屋の帳尻合わせのような[戦車1200/榴弾1000正面拡充体制]で正面武器は2倍に強化されましたが、
自衛隊の規模からいけば十分な重正面傾斜をしても特別兵站や専属的な補給部隊は拡充しませんでした。

おもちゃのように補給できない正面装備が溢れてしまった。
300両体制は兵站からすれば当然で、例え300両整備でも兵站をフル充足させるような軍事計画で行けば、今までの600両体制並みに負担になるでしょう。






明らかにMBTとか持て余していたんですが、
チャイカ
2013年12月07日 06:33
ドナルド様へ。
チャイカですが、御指摘の陸上自衛隊の編成が正面重視なのは事実ですが、相手は土地勘もなく、地域住民の協力等得られない中で戦いを行わなければなりません。
恐怖で従わせる方法は有りますが、それには限度があるでしょう。
その一方、我が方は自分の土地で防衛戦を行う訳です。少なくとも相手よりは土地勘があり、また、ある程度の事前準備が可能で、地域住民の支援も得られます。
この差は目に見えませんが大きいのではないでしょうか?

また、74式戦車のアクティブ式暗視装置の件ですが、確かに正規戦では、御指摘の通りでしょう。
ただ、正規戦でないテロ、ゲリラ、犯罪がらみの治安戦では、アクティブ式の暗視装置は、まだまだ十分に使えるのではないでしょうか?
これらの戦いでは、ゲリコマは携行する装備に限界が有ります。
その上、拠点防衛では、必ずしも我が方はその存在を誇示しても問題は少ないでしょう。
相手の手駒は限られており、旧式とは言え、戦車を張り付けておくと、貴重な重火器を投ぜざるを得ないからです。
また、本当の真っ暗闇では、微光暗視装置は使えず、熱線映像装置(非冷却型もありますが)は冷却が必要とされ、コストも掛かります。
因みに私の手元には、2000年台に発行されたルーマニア、ロムアーム社の武器輸出類が有りますが、TABC-79 4×4 APC等の暗視装置は、アクティブ式で、パッシブ式はオプション扱いになっています。
だから、一概に絶滅したと言えないのではないでしょうか?
きらきら星
2013年12月07日 12:06
事の本質は陸自が周辺情勢に則した装備や体制を整えていないということであって、戦車がその典型ということでしょう。
護衛艦に比べたら安いだの戦車を削っても海空戦力の増強には寄与しないだの、そういう話ではないですよ。それは単なる論点のすり替えです。
きらきら星
2013年12月07日 18:24
>>チャイカさん

それで間に合うのなら10式も機動戦闘車も要らなかったというオチになりますよ。
実際要らないと思いますが。
ドナルド
2013年12月08日 18:26
チャイカ様

レスポンスありがとうございます。

1:兵站軽視でよく言われる「陸自は国内でのみ戦うから」という話は承知しています。しかし、素人なりに考えても、兵站は、補給ニーズの把握、補給物資の調達、前線への輸送、そしてその仕分けで構成されますが、国内戦で軽量化できるのは「輸送」、特に後方輸送だけです。弾薬、燃料の量が減るわけではなく、最も困難な仕分けの複雑さも変わりません(仕分けの大切さはラリー・ボンドの第2次朝鮮戦争小説を参照)。つまりトラックとその護衛部隊は減らせるかもしれませんが、その他の部隊は諸外国の陸軍ときっちり同じ割合で必要な訳です。

装備メンテナンスも、後方輸送の手間が大きく緩和されますが、整備作業の総量は変わらないし、整備に必要な物資の量もあまり変わりません(中間備蓄が少し減らせる程度)。輸送時間がかからないので、稼働率には好影響でしょう。しかしこれは、「調達数の削減」として現れるはずで、メンテ部隊の削減規模は大きくないのでは?

これらの視点で見た時に、本当に十分な兵站部隊が確保できているのでしょうか?私は、この程度の簡単な議論すら、見聞したことがありません。一方で「削減は後方を中心にし前線戦闘力に影響のないように」とか、「後方の隊員の給与を前線隊員より下げる」など、兵站を軽視した「公式発言」はしばしば見られますし、燃料・弾薬の備蓄が極めて不十分とか、装備が共食い整備で稼働率が低いとかの話は、しばしば目にします。

これらのことから、「兵站は全然ダメな状態」だと認識するのが合理的だと、私は考えています。

つづく
ドナルド
2013年12月08日 18:27
つづき

2:74式戦車について
74式が正規戦ではもはや「MBT」たりえないことは、同じご意見と理解します。

陸自は日々野戦訓練をしており、そこで役立たずの状態で74式を放置している時点で、明らかな矛盾です。これは予算不足が原因ではなく(パッシブIRだけなら 1 億円もしないでしょうから、90式を50両減らすだけで74式500両を近代化できたはず)、優先順位の間違いであり、「有事に対応する」つもりがなかった証拠、と考えています。過去15年間に有事が起きなかったことは、陸自の装備体系のあり方とは全く関係ない話で、「まともな対応ができない状態で放置して来た」ことは、当事者意識がないからだと、私は考えています。 <-- 私の主張の論点はココです。

#ちなみに現場の隊員を批判しているわけでは全くありません。陸幕 or 内局を批判しているだけです。

以下、余談:非正規戦ですが、拠点防衛では役に立つケースはあるでしょうが、静止した74式はカールグスタフでも容易に撃破できるため、トーチカを整備するほうが良い場合も多い。戦車皆無ならともあれ、90式/10式が400両近くある現状で、74式という世代の全く異なる独立した装備体系を300両分維持し続ける経費(直接要員だけで2400名ほど+後方支援隊人員+整備の部品・消耗品代)は無駄でもったいない --> 他に整備すべき装備、軽車両の維持費不足、人員の足りない部隊が沢山あると、私は思います。

言い換えると、そんな無駄を垂れ流している陸自の「お金くれ、人増やしてくれ」要求は、軽視されて当然ではありませんか?

まぁ、私には何の決定権もないのですが(笑)。


#長文、失礼しました。。。
チャイカ
2013年12月08日 22:28
きらきら星様へ。
チャイカですが、拙投稿に対し、御返答有難う御座います。

確かにすでにある74式と90式戦車の改修等で、事足りるなら、10式も機動戦闘車も要らないでしょう。
しかし、現実はそれ程甘くないです。
中国の戦備の向上は大きく、既に第三世代+のMBTや装輪の戦車駆逐車も登場しており、それらを揚陸させる艦艇数もソ連海軍太平洋艦隊の最盛期を超えています。また、韓国は第三世代+と言うべきMBTも登場しており、北ですら、ロシアのT-90戦車に近い戦車を開発運用しています。
この現状では、すでにある装備の改修は必要ですが、限度が有ります。
それに相手と同じ土俵に立たないと勝負にならないでしょう。所詮、幾ら手を加えようが、カボチャの馬車は、硝子の馬車には、なれませんから。
また、重要なのは、陸自の主力を占める74式戦車の油気圧サスペンションは、劣化が激しく、改修が困難だと聞きます。
90式戦車はまだまだ元気でしょうが、技術の伝承の面、国内防衛産業の保護育成等から、新戦車の開発が必要でしょう。
また、機動戦闘車も諸外国に類似の物が有りますが、上記の点からも、国内開発の必要があるのではないでしょうか?

とは言え、拠存の装備改修、新装備の開発、配備には時間が掛かります。
なら、場合によっては使える現有装備を活用すべきだと思いますが。
シーバスリーガル
2013年12月09日 10:28
74式を改良しても第2世代であるのは変わらん
120mmに換装しても重量が足りない、足周りからやり直し、重量が増えればパワーパックも見直し
HEAT弾対策もとなるといくらかかるかな?
結局開発費を別にすれば新型戦車にした方がお得ではないかと思う
きらきら星
2013年12月09日 10:34
>>チャイカさん

わざわざ敵さんが上陸してから戦うより公海上でケリつけたほうが早いですよ。
仮に上陸してから戦うにしても正面装備を買い揃えるより先にやることが山程あったはずだし、今もある。
だけど他の方たちがおっしゃるように、そいつはほとんど手付かずなんですよ。
要は海上でケリをつけるなら陸自の編成装備には要らんもんが一杯あり、
上陸してからケリをつけるつもりなら足らんもんが多すぎるんです。
どっちにしても、お前らやる気あんのかというお話。
ドナルド
2013年12月10日 01:42
チャイカ様

読み返すと、私のコメント、いささか強すぎる表現のようです。済みません。私の意見も、一素人のコメントに過ぎないので、絶対の確信を持っているわけではありません。ただ、放置され「MBTとは言えない」状態になった74式が不憫で、ついつい気持ちが高ぶってしまいました(苦笑)。

#現有の射撃指揮装置にパッシブ暗視装置を足し、最低限のC4Iを(例えば小隊長車だけにでも)装備するだけで、待ち伏せ狙撃用には、十分頼りになる装備でありつづけたでしょうに。。。

陸自が、師団/旅団などの正面部隊を大幅(少なくとも2-3割)削減し、後方部隊を倍増し、全体の実員も1-2万人分削減して浮かせた人件費分で、維持費、近代化費用、細かな必須装備、さらには燃料弾薬の備蓄に回す決断をすれば、私はその決断を支持し、応援し、かつ頼りに思うのですが。。。

「島嶼対応」と「ゲリコマ対応」に軸足をおいて、海自・空自の基地防衛や、重要拠点の警備をしっかりやる。野戦を主任務とする部隊は現状の半分以下でよいので、その代わり、適切な装備と十分な兵站を確保してもらいたい、と思うわけです。

素人のコメントではありますが、ごく当たり前のことを言っているつもりですが。。。
2013年12月10日 20:23
ドナルドさん、あなたのコメント(12月5日)を改めて読み直してみました。私の読解力でも問題なく楽しめました。コメント欄など、限られた文字数で伝えるのは「玄人」でも簡単なことではないです。それなのに論文並みに精密さを要求するのは場違いかと思われます。コメント欄というシステムが成立できなくなります。あなたのコメントは、本筋が余談に引きずられて崩れているわけではないので問題ないかと思います。
K
2013年12月13日 13:09
清谷さんは30年前の自家用車を改良しながら使い続ける人なのでしょうか?
自動車番組でありますが、30年前のスポーツカーでは今の普通車に勝てませんよね。
ドイツの元戦車隊長のレポートがありましたが、レオパルド2の改良型に否定的で、新戦車がほしいのが見え見えでした。
費用対効果では新型車両のほうが良いのに、政治的理由で買えないだけですよね。政治決断の出来ない悪い例を、真似なくても良いのでは?
2013年12月13日 13:16
戦車と自家用車の耐用年数は違います。
では、あなたはカローラのローンも払えない経済状態でメルセデスのセダンを買ったりするのでしょうか。予算には上限があることを前提にしない議論は不毛です
K
2013年12月14日 10:26
他国は知りませんが、日本戦車の耐用年数(運用年数)は30年です。
ドナルド
2013年12月14日 11:28
Kさま

>費用対効果では新型車両のほうが良いのに、政治的理由で買えないだけですよね。政治決断の出来ない悪い例を、真似なくても良いのでは?

新型戦車を装備しないことと、旧戦車を改修「しない」こととは関係ないと思います。

予算は今より潤沢でしたが、代わりに必要性が今よりも格段に多かった冷戦末期(=実質的「予算不足」がより厳しかった時代)、西ドイツは、レオパルト2を大量生産し「ながら」、レオパルト1も改修(FCSのパッシブ赤外化+装甲強化)していました。ワルシャワ条約機構軍が、いつ攻めて来ても良いように対応していたのです。

新型を生産するとしても、旧型を「out of date にしてはいけない」という基本が守られていたのです。当然、その分、新たに生産できるレオ2の数は減ったはずですが、当然の判断と考えられ支持されていm割いた。そして世界中のレオ1が、パッシブ暗視装置付き第3世代型のFCS搭載戦車になりました。(車体は第2世代ですが)

つまり、「旧型をout of dateにしない」という原則の方が、「新型を買う」ということよりも明らかに優先順位が高い。これが逆転しているのは、近代的西側陸軍では、陸自だけです。

90式を生産し「ながら」、74式の改修を進めるのが、あるべき姿だったのではありませんか?今で言えば、「10式 and/or 機動戦闘車」を生産し「ながら」、90式の近代化(C4Iだけでも)を進めるべきと考えます。
ブロガー(志望)
2013年12月15日 23:12
ひゃっはー様、コメントありがとうございます。

 自分は「本気で戦争をする(辞さない)つもりがない」のは日本(国民)だと思っています。「誠意を持って話し合えば、必ず分かり合って仲良くなれる。だから仲良くなれないのはこちらに誠意が足りないから」といった”信仰”がありますので、「軍備=相手を信用しない=誠意が無い」になるのだと思います。イジメ(またはDVやストーカー行為等)があった場合まずしなければならないのは「やっている人間にいけない事だと分からせる」ましてや「仲良くさせる」事では無く、「やられている人間を守る」事だと思うのですが(イジメ被害が一向に無くならないのはそれを目的にしているから?)。それか「アメリカ様がきっと守ってくれる(はず)」とでも思っているのでしょう。幕末「攘夷・鎖国堅持」から一転不平等条約締結になったように、中国が「日本を取って食おう」になり(今なりつつある?)、アメリカが守らない(十分に守りきれない)事態になったときには中国に”土下座”するのではと思っています(自助努力など考えない、たとえそうしようとする人間がいても、主導権を握るのはそれを否定する人間?)。日本(国民)に戦う気が無いのに自衛隊「だけ」に戦う気があっても、それこそ「関東軍」だと思います。その意味で自衛隊は「今の日本にお似合いの組織」だと思います。

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