陸自MRAPの調達の微妙さ
陸自がMRAPを調達する予定です。
輸送防護車4両購入へ 防衛省、邦人搬送に投入
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/131210/plc13121001110001-n1.htm
陸幕は既に昨年末ぐらいから外国メーカーに8輪装甲車に関する打診をしておりました。
これも関係しているかもしれません。
ですが、これが邦人搬送という理由なのは微妙です。
ブッシュマスタークラスのAPCならば一度に運べるの4輌でせいぜい32~40名程度です。
しかも護衛の装甲車輌も必要です。既に何度もご案内ですが、陸自の装甲車輌、ことにPKOや邦人救出に使用されるであろう、軽装甲機動車、96式装甲車などは極めて地雷に脆弱です。
どの程度の規模の救出作戦を予想しているにしても数が少なすぎます。
コンボイ護衛用のMRAPだって必要です。
MRAPといってもRG32のようなリエゾンやパトロール用の小型のものから大型APCなど様々な種類があります。
単に邦人移送であればむしろ、メルセデスが提案している20名ぐらい乗れるバス型の耐地雷装甲車のようなものが向いているでしょう。
あるいは南アのキャスパークラス(類似品が出回っています)。これなら10~12名は運べます。しかもお値段が1千万円から3千万円程度です。うまくすれば軽装甲機動車1輌分で、3輌調達できます。つまり数を揃えるのは容易です。10輌ならば100~120名運べます。
そもそもPKOや各種海外任務向けに耐地雷生存性の高い装甲車輌が必要です。これらの用途に、少なくとも小型、APC型が各6~10輌、更には路上地雷啓開システムが1セットは欲しいところです。
邦人救出は更にこれらとは別に用意する必要があるはずです。
MRAPといっても触雷すればタダではすみません。けが人も出るし、車輪を替えるのだって早くても30分から1時間はかかります。またスペアのコンポーネントを運ぶトラック(当然耐地雷仕様)も必要です。またけが人を応急処置する野戦救急車型のMRAPも必要でしょう。
MRAPといえどもできるだけ触雷はしないほうが望ましい。ですからチャービーシステムのような事前に路上の地雷を処理するためシステムが有用です。MBDAでも同様にシステムを開発していますし、他にも幾つか似たシステムがあります。
陸幕の要求理由をそのまま信じるのであれば、具体的なシナリオを全く考えていないように
思えます。 それとも邦人救出は予算をとるための方便なのでしょうか。
新しいウェブニュースサイト、NEXT MADIA Japan In-Depthに寄稿しております
防衛省は自衛隊の戦力を過小に見せる世論操作をしている?〜知られていない『防衛大綱』の不正確な記述
http://japan-indepth.jp/?p=1748
民主主義・法治の危機〜国家安全保障会議(日本版NSC)と特定機密保護法は警察官僚に支配される(1/2)
http://japan-indepth.jp/?p=1821
民主主義・法治の危機〜国家安全保障会議(日本版NSC)と特定機密保護法は警察官僚に支配される(2/2)
http://japan-indepth.jp/?p=1824
防衛省・技術研究本部に実戦的な装備は開発できるのか①〜リモート・ウェポン・ステーションとは何か?
http://japan-indepth.jp/?p=1703
防衛省・技術研究本部に実戦的な装備は開発できるのか②〜必要な調達をする気のない自衛隊と必要ない装備を技術実証する技術研究本部の悪すぎる連携
http://japan-indepth.jp/?p=1720
防衛省・技術研究本部の海外視察費はわずか92万円〜写真やカタログだけで十分な開発ができるのか?(1/2)
http://japan-indepth.jp/?p=1750
防衛省・技術研究本部の海外視察費はわずか92万円〜写真やカタログだけで十分な開発ができるのか?(2/2)
http://japan-indepth.jp/?p=1758
[仏パリ“ミリポール”リポート]防衛産業の輸出を阻害しているのは防衛産業を擁する大企業トップの無知蒙昧と保身
http://japan-indepth.jp/?p=1508
朝日新聞のWEBRONZA+に以下の記事を寄稿しています。
【無料】 10式戦車とその必要性
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013121000007.html?iref=webronza
↑この記事は無料で全部読めます。かつてコンバットマガジンに掲載した記事の転載です。
恐らく10式(その試作品)に関して技本の担当者に長時間インタビューをした記事はこの記事ぐらいなはずです。あまりにネット上の議論がアレなので、参照のため公開しました。
日経が伝えないトルコとの戦車エンジン共同開発の真実(上)――トルコの狙いは何か?
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013112500006.html
日経が伝えないトルコとの戦車エンジン共同開発の真実(下)――日本がパートナーを組むべき国はどこか?
アベノミクスで食材偽装が増える?
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013111100009.html
機動戦闘車は必要か(上)――島嶼防衛にもゲリラ・コマンドウ対処にも不向き
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013103100010.html?iref=webronza
機動戦闘車は必要か(中)――脆弱な防御力
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013110100004.html?iref=webronza
輸送防護車4両購入へ 防衛省、邦人搬送に投入
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/131210/plc13121001110001-n1.htm
陸幕は既に昨年末ぐらいから外国メーカーに8輪装甲車に関する打診をしておりました。
これも関係しているかもしれません。
ですが、これが邦人搬送という理由なのは微妙です。
ブッシュマスタークラスのAPCならば一度に運べるの4輌でせいぜい32~40名程度です。
しかも護衛の装甲車輌も必要です。既に何度もご案内ですが、陸自の装甲車輌、ことにPKOや邦人救出に使用されるであろう、軽装甲機動車、96式装甲車などは極めて地雷に脆弱です。
どの程度の規模の救出作戦を予想しているにしても数が少なすぎます。
コンボイ護衛用のMRAPだって必要です。
MRAPといってもRG32のようなリエゾンやパトロール用の小型のものから大型APCなど様々な種類があります。
単に邦人移送であればむしろ、メルセデスが提案している20名ぐらい乗れるバス型の耐地雷装甲車のようなものが向いているでしょう。
あるいは南アのキャスパークラス(類似品が出回っています)。これなら10~12名は運べます。しかもお値段が1千万円から3千万円程度です。うまくすれば軽装甲機動車1輌分で、3輌調達できます。つまり数を揃えるのは容易です。10輌ならば100~120名運べます。
そもそもPKOや各種海外任務向けに耐地雷生存性の高い装甲車輌が必要です。これらの用途に、少なくとも小型、APC型が各6~10輌、更には路上地雷啓開システムが1セットは欲しいところです。
邦人救出は更にこれらとは別に用意する必要があるはずです。
MRAPといっても触雷すればタダではすみません。けが人も出るし、車輪を替えるのだって早くても30分から1時間はかかります。またスペアのコンポーネントを運ぶトラック(当然耐地雷仕様)も必要です。またけが人を応急処置する野戦救急車型のMRAPも必要でしょう。
MRAPといえどもできるだけ触雷はしないほうが望ましい。ですからチャービーシステムのような事前に路上の地雷を処理するためシステムが有用です。MBDAでも同様にシステムを開発していますし、他にも幾つか似たシステムがあります。
陸幕の要求理由をそのまま信じるのであれば、具体的なシナリオを全く考えていないように
思えます。 それとも邦人救出は予算をとるための方便なのでしょうか。
新しいウェブニュースサイト、NEXT MADIA Japan In-Depthに寄稿しております
防衛省は自衛隊の戦力を過小に見せる世論操作をしている?〜知られていない『防衛大綱』の不正確な記述
http://japan-indepth.jp/?p=1748
民主主義・法治の危機〜国家安全保障会議(日本版NSC)と特定機密保護法は警察官僚に支配される(1/2)
http://japan-indepth.jp/?p=1821
民主主義・法治の危機〜国家安全保障会議(日本版NSC)と特定機密保護法は警察官僚に支配される(2/2)
http://japan-indepth.jp/?p=1824
防衛省・技術研究本部に実戦的な装備は開発できるのか①〜リモート・ウェポン・ステーションとは何か?
http://japan-indepth.jp/?p=1703
防衛省・技術研究本部に実戦的な装備は開発できるのか②〜必要な調達をする気のない自衛隊と必要ない装備を技術実証する技術研究本部の悪すぎる連携
http://japan-indepth.jp/?p=1720
防衛省・技術研究本部の海外視察費はわずか92万円〜写真やカタログだけで十分な開発ができるのか?(1/2)
http://japan-indepth.jp/?p=1750
防衛省・技術研究本部の海外視察費はわずか92万円〜写真やカタログだけで十分な開発ができるのか?(2/2)
http://japan-indepth.jp/?p=1758
[仏パリ“ミリポール”リポート]防衛産業の輸出を阻害しているのは防衛産業を擁する大企業トップの無知蒙昧と保身
http://japan-indepth.jp/?p=1508
朝日新聞のWEBRONZA+に以下の記事を寄稿しています。
【無料】 10式戦車とその必要性
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013121000007.html?iref=webronza
↑この記事は無料で全部読めます。かつてコンバットマガジンに掲載した記事の転載です。
恐らく10式(その試作品)に関して技本の担当者に長時間インタビューをした記事はこの記事ぐらいなはずです。あまりにネット上の議論がアレなので、参照のため公開しました。
日経が伝えないトルコとの戦車エンジン共同開発の真実(上)――トルコの狙いは何か?
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013112500006.html
日経が伝えないトルコとの戦車エンジン共同開発の真実(下)――日本がパートナーを組むべき国はどこか?
アベノミクスで食材偽装が増える?
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013111100009.html
機動戦闘車は必要か(上)――島嶼防衛にもゲリラ・コマンドウ対処にも不向き
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013103100010.html?iref=webronza
機動戦闘車は必要か(中)――脆弱な防御力
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013110100004.html?iref=webronza
この記事へのコメント
お手数をおかけして申し訳ないのですが、どこがどのように的外れなのかを、その都度、具体的に指摘して頂けると幸いです。無論、過去のコメントに対するものでも結構です。
そうでないと建設的な議論にはなりません。