ロシアとウクライナの対立は本当に深刻か? それと日本政府の外交センスで
ロシアとウクライナの対立はマスメディアで報道されているように、本当に深刻なのでしょうか。
ジェーズ・デフェンス・ウィークリー誌4月2日号ではロシアとウクライナが航空エンジンでジョンとベンチャーを立ち上げると報じております。その元ネタは3月21日付けのイズベスチャ
これはロシアとユナイテッド・アエロ・エンジン・コーポレーションとウクライナのモトール・シーチとイーウチェンコ-プログレースの三社でモスクワに新型エンジン開発のジョイントベンチャーを立ち上げ、クリモフTV-3-117 D-436、Al-222などのエンジンを生産する予定です。
また、更に現在開発中のT-50(PAK-FA)のエンジンの開発も行う予定です。
ウクライナとロシアの軍需産業の相互依存は非常に大きいものがあります。ウクライナ企業は多くのコンポーネントをロシアに輸出しております。ロシアもウクライナ製のコンポーネントがなくなれば製品が完成しません。ウクライナも同じです。
大きく、仮に両国が国交を断絶すれば、両国とも兵器の調達、維持に問題がでるだけではなく、兵器産業の輸出が大きく傾くことになります。
日本はウクライナへの経済的な巨額な支援を表明していますが、いかにも脳天気です。支援の条件としてはウクライナの中国への武器及びその製造技術の移転の禁止を求めるべきです。
それが飲めないならばウチはゼニを出しません、中国様から助けて貰えば宜しいと言えばよい。対中武器輸出の自粛は関係諸国、ロシアにもEUにもアメリカにも利益があります。
日本の外交当局はこのような発想がわかないのでしょうか。不思議でなりません。アメリカのATM代わりになるという「外交方針」はもう卒業すべきです。
NEXT MEDIA "Japan In-Depth"[ジャパン・インデプス]に以下の記事を寄稿しております。
<防衛産業も営利企業>政府は防衛産業の持続可能な利益確保の必要性を国民に説明すべき
http://japan-indepth.jp/?p=5052
<武器禁輸緩和>安倍政権は「防衛装備生産基盤の危機回避」という本意を国民に説明せよ
http://japan-indepth.jp/?p=5014
<200億円の海自P-1哨戒機>性能も怪しい高コスト機の開発ではなく現有機の近代化を
http://japan-indepth.jp/?p=4818
朝日新聞のWEBRONZA+に以下の記事を寄稿しました
ロシアとウクライナが簡単に刀を抜けない理由
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2014041500002.html
知られざる日本発のクールジャパン的ヒット商品「エア・ソフト・ガン」はなぜ市場を失いつつあるのか?
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2014032400011.html
月刊ZAITENに「防衛産業はやりたい放題」を寄稿しました。
月刊WEGDE4月号に以下の記事を寄稿しています
先細る防衛産業 中小こそ輸出のチャンス 国はバックアップを
ジェーズ・デフェンス・ウィークリー誌4月2日号ではロシアとウクライナが航空エンジンでジョンとベンチャーを立ち上げると報じております。その元ネタは3月21日付けのイズベスチャ
これはロシアとユナイテッド・アエロ・エンジン・コーポレーションとウクライナのモトール・シーチとイーウチェンコ-プログレースの三社でモスクワに新型エンジン開発のジョイントベンチャーを立ち上げ、クリモフTV-3-117 D-436、Al-222などのエンジンを生産する予定です。
また、更に現在開発中のT-50(PAK-FA)のエンジンの開発も行う予定です。
ウクライナとロシアの軍需産業の相互依存は非常に大きいものがあります。ウクライナ企業は多くのコンポーネントをロシアに輸出しております。ロシアもウクライナ製のコンポーネントがなくなれば製品が完成しません。ウクライナも同じです。
大きく、仮に両国が国交を断絶すれば、両国とも兵器の調達、維持に問題がでるだけではなく、兵器産業の輸出が大きく傾くことになります。
日本はウクライナへの経済的な巨額な支援を表明していますが、いかにも脳天気です。支援の条件としてはウクライナの中国への武器及びその製造技術の移転の禁止を求めるべきです。
それが飲めないならばウチはゼニを出しません、中国様から助けて貰えば宜しいと言えばよい。対中武器輸出の自粛は関係諸国、ロシアにもEUにもアメリカにも利益があります。
日本の外交当局はこのような発想がわかないのでしょうか。不思議でなりません。アメリカのATM代わりになるという「外交方針」はもう卒業すべきです。
NEXT MEDIA "Japan In-Depth"[ジャパン・インデプス]に以下の記事を寄稿しております。
<防衛産業も営利企業>政府は防衛産業の持続可能な利益確保の必要性を国民に説明すべき
http://japan-indepth.jp/?p=5052
<武器禁輸緩和>安倍政権は「防衛装備生産基盤の危機回避」という本意を国民に説明せよ
http://japan-indepth.jp/?p=5014
<200億円の海自P-1哨戒機>性能も怪しい高コスト機の開発ではなく現有機の近代化を
http://japan-indepth.jp/?p=4818
朝日新聞のWEBRONZA+に以下の記事を寄稿しました
ロシアとウクライナが簡単に刀を抜けない理由
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2014041500002.html
知られざる日本発のクールジャパン的ヒット商品「エア・ソフト・ガン」はなぜ市場を失いつつあるのか?
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2014032400011.html
月刊ZAITENに「防衛産業はやりたい放題」を寄稿しました。
月刊WEGDE4月号に以下の記事を寄稿しています
先細る防衛産業 中小こそ輸出のチャンス 国はバックアップを
WEDGE 2014年4月号2014年4月号-【電子書籍】
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この記事へのコメント
>支援の条件としてはウクライナの中国への武器及びその製造技術の移転を求めるべきです。
ですが、文脈から推察するに「移転禁止」ではないでしょうか。
理解せねばなりません。
対中輸出の目的はロシアの戦力を
南部に分散化させ、
ウクライナに対する戦力を割きたいのでしょう。
結果として日米両国はリソースを
対中に振り向けざるを得ず、
ロシアは東部での日米の軍事的な摩擦は軽減されて
結局はウクライナに対する
軍事的リソースが容易になります。
ロシアが中国に最新鋭潜水艦を配備しようとする目論見も
それが目的なのでしょう。
過去の中ソ戦争で中国に対する警戒心は強くも
中国を利用して日米の戦力を南方シフトさせて
利を得たいというジレンマがあります。
その通りです。訂正しました。
ご指摘ありがとうございます。
えーと、偉そうに聞こえるかもしれませんので、先に謝っておきます。そう聞こえる人がいたらゴメンなさい、読まないでね♪
ウクライナの根は結構深いです。
ソビエト崩壊時以前(フルシチョフの時代だったかな?)から今回のことが関連しているし、またそれだけではなく、全く別の問題がソビエト崩壊時から起されています、むしろ今回の根はそっちかも。
また、古い歴史による民族的傾向もかなり。
ほぼ全てはネットで知ることができます。それらの情報を合わせてみれば、今の状態がどういうものなのか、ある程度はわかると思います。
なんでもそうですが、問題が起きるときに原因が一つだけというのはまずありませんからねー
ウクライナ問題はロシア・欧米双方がデッドロックに陥っているものと思われます。
ロシア 民意が絶対なら、クリミア住民の「民意」は尊重しないのか。
欧米 合法性等に問題がある。
ロシア ならばウクライナ暫定政府に合法性・正統性の問題はないのか。
でロシア優位に事が進んでいたように思われますが(ウクライナ問題は元は前?政権の腐敗・汚職から始まったはず?)、ロシアが「クリミアを独立させ、安保条約を結ぶ事で合法的に駐留」ではなく、(「元々はロシアのもの」という意識故かも知れませんが)一気に併合した事によって「やっぱり領土的野心か」になってしまいました。双方がデッドロックに陥っている状況で飛び込んでいくのは正しく「飛んで火に入る」ではないかと思います。シリアもそうですが地域の事情もそれまでの歴史もよく知らず、(地域に)さしたる繋がりも影響力もない日本にできる事はありませんし、無理に何かしようとしても良い結果は産まないでしょう。ですから「原則的な立場」を表明するのが関の山だと思います。尤も「泣く子と”空気”に勝てない」日本ですから、「欧米の”空気”」とやらを察してウクライナ支援を表明しているものと思われます。となれば「空気は一瞬で変わる・消える」事を念頭に置くべきだと思うですが。
全世界を碁盤、ウクライナ、シリアが今の陣取り最中の箇所、他に重要地点イランが、まだ主戦場にはなっていないが、徐々に影響圏に石を置かれている状態。てな感じでしょうか。
西側の圧倒的強さがある超ハンデ戦の人類最後の一局とでも呼んでいいかも。
勿論西側はほぼ全世界各地に置石をしている状態。
これで勝てるほうがおかしい、と言えるようですが、、
現状の事実を正確に推測し(誰であろうとも全ての確定は不可能w)、現状の正しい把握をすれば、今の日本の状態から東欧西欧南米北米アフリカ等全ての関連がわかるので、
この勝敗に「何」がかかっており、その結果によって、何がどうなるのか?は容易に想像つくでしょう。
非常にかっやかいで複雑ですが実は単純でもあり、でもそれができないのが複雑にしている要因。
その「できない」のも現状の理解不足からであり、それが理解できた時点では、もう既に手遅れの時になるでしょう。
ウクライナ東部でロシア系住民による占拠等が相次いでいます。ロシアはクリミア併合で「パンドラの箱」を開けたと思います。ロシアは「元々は自分達の土地だから」で踏み切ったのでしょうが、ウクライナ東部のロシア系住民からすれば「ロシアはクリミアは併合して、自分達には手を差し伸べないのか」になっているように思われます。
清谷様
>ウクライナとロシアの軍需産業の相互依存は非常に大きいものがあります。
となればウクライナが混乱状態になる事は欧米寄りになる以上にロシアの兵站(兵器供給)に悪影響を及ぼすものと思われます。ウクライナ内部で「外部(欧米またはロシア)の力を当てにした対立・抗争」が続き、欧米とロシアがお互いに責任をなすり合う事がしばらく続くでしょう。そうしている間にシリアで化学兵器が使われました。日本は「世界の目がウクライナに向いている間に中国が仕掛けてくる」事を警戒すべきだと思います。
話は変わりますがTPPで日米が牛肉の関税について対立しています(?)が、アメリカは「なら日本には飼料用穀物を提供しない」とは言わないようです。日本の畜産はアメリカの飼料用穀物にかなり依存していたと思いますが。