財政制度分科会(令和3年11月15日開催)防衛関連資料を読むその11調達改革編
財政制度分科会(令和3年11月15日開催)の防衛に関する資料、参考資料を解説評論していきます。今回は11回目です。
https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/20211105zaiseia.html
「資料」と「参考資料」2つがあります。まずは資料の方から見てみましょう。
https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia20211115/01.pdf
調達改革編その4です。

部品価格上昇要因の深堀り(P19)
○ 部品価格の上昇要因として、輸入部品の価格上昇等の問題が把握できたことを踏まえ、さらに掘り下げ、直接材料費の輸入部品構成比率や輸入部品等の実態について分析したところ、次のことが判明。
- 国産航空機であるものの、開発当初段階を含め、4割~6割が輸入部品で構成
- 油圧系統部品や空調関係部品などの基幹部品が輸入部品に含まれ、国産等への代替は不可
- 部品価格上昇時等に汎用品への部品代替等が困難となる一因として、自衛隊の航空機専用の独自仕様の追求Ex) 専用の直流交流変換機を設計・開発、日本人の体格に合わせた設計(機体の高さ等)
○ 数十万円、数百万円単位の部品も含め、大幅に価格上昇を続けた結果、装備品全体のライフサイクルコストも大きく上昇。 「塵も積もれば山となる。」
前回も指摘しましたが「国産機」といっても相当のコンポーネント、4~6割は輸入です。これは少数を国産で賄っては極端なコスト高になることと、国内企業の撤退があるでしょう。タイアの横浜ゴムやキャノピーの住友電工などその好例です。
>自衛隊の航空機専用の独自仕様の追求
これらも本当必要かどうか怪しいものが多数あります。実戦経験がないのはともかくとして、世界の技術動向に無関心であり、本当に日本独自のものが必要なのか精査する必要があります。取材する限りでは、コストを考えない単なる担当者の思いつきの押しつけも多々あるように思います。
>量産取得開始後も、輸入部品の仕様変更等により、 部品全体の設計見直し等が発生
⇒ P-1哨戒機では、約334億円(機体2機分相当)の再設計費等を計上
なぜ仕様変更して輸入品に変わったのか。なぜ、そのようなコストが上がるのか、その理由を防衛省は明らかにする必要があります。こういう情報は本来開示して当然ですが、都合が悪いので公開しないのでしょう。情報公開こそアメリカ様のマネをすべきだと思いますが、その気はないようです。
そもそも防衛省はP-1、C-2同時開発でコンポーネントの共通化でコスト下げる主張しておりました。だがそのパーセンテージは開発段階でも下がっていたのですが、その事実も防衛省は隠蔽してきました。
2機種同時開発は失敗だった、防衛省はこの事実を認めるべきです。その上で原因を第三者が調査すべきです。ですがやらないでしょう。卑怯ですから。
そもそもP-1は米軍ですらやっていない、機体、エンジン、システム全てを専用に開発するという贅沢をやりました。果たしてそれで他の予算がまかなえるのか。P-1開発は当時の石破防衛庁長官は断固反対しましたが、省内では多勢に無勢で押し切られました。
果たして開発費も調達コストも高騰しましたが、防衛省、海幕でその責任をとった人は一人もおりません。
植木等の無責任シリーズも真っ青な無責任なのが市ヶ谷の人たちです。
Japan In Depth に以下の記事を寄稿しました。
新聞が誤報する史上最大の防衛補正予算
https://japan-indepth.jp/?p=63181
https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/20211105zaiseia.html
「資料」と「参考資料」2つがあります。まずは資料の方から見てみましょう。
https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia20211115/01.pdf
調達改革編その4です。

部品価格上昇要因の深堀り(P19)
○ 部品価格の上昇要因として、輸入部品の価格上昇等の問題が把握できたことを踏まえ、さらに掘り下げ、直接材料費の輸入部品構成比率や輸入部品等の実態について分析したところ、次のことが判明。
- 国産航空機であるものの、開発当初段階を含め、4割~6割が輸入部品で構成
- 油圧系統部品や空調関係部品などの基幹部品が輸入部品に含まれ、国産等への代替は不可
- 部品価格上昇時等に汎用品への部品代替等が困難となる一因として、自衛隊の航空機専用の独自仕様の追求Ex) 専用の直流交流変換機を設計・開発、日本人の体格に合わせた設計(機体の高さ等)
○ 数十万円、数百万円単位の部品も含め、大幅に価格上昇を続けた結果、装備品全体のライフサイクルコストも大きく上昇。 「塵も積もれば山となる。」
前回も指摘しましたが「国産機」といっても相当のコンポーネント、4~6割は輸入です。これは少数を国産で賄っては極端なコスト高になることと、国内企業の撤退があるでしょう。タイアの横浜ゴムやキャノピーの住友電工などその好例です。
>自衛隊の航空機専用の独自仕様の追求
これらも本当必要かどうか怪しいものが多数あります。実戦経験がないのはともかくとして、世界の技術動向に無関心であり、本当に日本独自のものが必要なのか精査する必要があります。取材する限りでは、コストを考えない単なる担当者の思いつきの押しつけも多々あるように思います。
>量産取得開始後も、輸入部品の仕様変更等により、 部品全体の設計見直し等が発生
⇒ P-1哨戒機では、約334億円(機体2機分相当)の再設計費等を計上
なぜ仕様変更して輸入品に変わったのか。なぜ、そのようなコストが上がるのか、その理由を防衛省は明らかにする必要があります。こういう情報は本来開示して当然ですが、都合が悪いので公開しないのでしょう。情報公開こそアメリカ様のマネをすべきだと思いますが、その気はないようです。
そもそも防衛省はP-1、C-2同時開発でコンポーネントの共通化でコスト下げる主張しておりました。だがそのパーセンテージは開発段階でも下がっていたのですが、その事実も防衛省は隠蔽してきました。
2機種同時開発は失敗だった、防衛省はこの事実を認めるべきです。その上で原因を第三者が調査すべきです。ですがやらないでしょう。卑怯ですから。
そもそもP-1は米軍ですらやっていない、機体、エンジン、システム全てを専用に開発するという贅沢をやりました。果たしてそれで他の予算がまかなえるのか。P-1開発は当時の石破防衛庁長官は断固反対しましたが、省内では多勢に無勢で押し切られました。
果たして開発費も調達コストも高騰しましたが、防衛省、海幕でその責任をとった人は一人もおりません。
植木等の無責任シリーズも真っ青な無責任なのが市ヶ谷の人たちです。
Japan In Depth に以下の記事を寄稿しました。
新聞が誤報する史上最大の防衛補正予算
https://japan-indepth.jp/?p=63181
この記事へのコメント
https://www.sankei.com/article/20211208-J424LKSKS5PSLPHZUOZN2FPTKU/
国会にも外務省にも親中派はいるが親韓派はいないので強気は良いの日韓戦争に繋がりかねない事は考慮しているのだろうか?まあ、米国が間に入ってくれることを前提なのだろうが、米軍のいない場所にミサイルを撃ち込んでくる可能性は結構高いと思うのだが。
https://www.daily.co.jp/gossip/2021/12/09/0014902127.shtml
呆れてものが言えません...
クーポンに拘る意味、財務省が金が掛かってもクーポンでも良い意味がグロすぎる。しかも納得できるところがもう...
政府からしてコレですからね。
>米軍のいない場所にミサイルを撃ち込んでくる可能性は結構高いと思うのだが。
それは今の与党にとっては願ったり叶ったりです。
それも参議院選挙の前ならなおさらです。
ただ、いきなりミサイルよりは、漁船の拿捕が先に来るかと。