【追記しました】財政制度分科会(令和3年11月15日開催)防衛関連資料を読むその18人材編その2

財政制度分科会(令和3年11月15日開催)の防衛に関する資料、参考資料を解説評論していきます。今回は18回目です。

https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/20211105zaiseia.html

「資料」と「参考資料」2つがあります。まずは資料の方から見てみましょう。
https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia20211115/01.pdf

人材編その2です。

柔軟かつ有効的な人材活用(P28)
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○ 冷戦期以降、自衛隊が確保すべき要素として、重厚長大な装備による火力や若年定年制による隊員の強靱な肉体の維持などを「精強性」と位置づけ、これに応じた部隊編成や人材確保が行われてきた。
○ 安全保障環境の変化に伴い、新領域やインテリジェンス分野など、従来にない新たな専門性を必要とする人材の確保が急務であるが、新たな人材を有効に活用するためには、その能力や素質にあわせた人材の運用が必要。
〇 新たな人材に求められる「精強性」を明確にした上で、これに対応する自衛官募集、能力・適性による配置、人事評価の在り方、一律的な定年制度の是非など、入隊から退職までをワンパッケージでリデザインすべきではないか。


陸自は大幅に削減すべきです。
師団規模の機甲部隊が本土に揚陸してくる可能性は、火星人やゴジラの襲来よりも多少高い程度です。対してサイバー攻撃は既に受けているわけです。どちらに資源をつぎ込むべきかは明らかです。
現大綱の戦車、火砲各300輌はやめて各100程度に減らすべきです。浮いた一個旅団程度の人員はサイバー、ネットワーク、無人プラットホームの要員などに回すべきです。

更に陸自の定員を減らして、海自に割愛、調達部門に振り分けるということも必要です。それに1~3万人程度減らせば人件費も浮きます。その場合一番人件費が高い将官とそのポストの削減を行うべきです。

また特殊部隊やサイバー、情報など新しい部門や部隊はOBの応援団がおりません。ですから外部の識者で第三者機関を作って組織内の政治力に左右されない、部隊再編や人員配置が必要です。

また無人機の操縦や運用は会社にして退職したパイロットや、身体障害者なども採用すべきでしょう。車椅子でも操縦はできます。そうすれば障害者の雇用先となるし、自衛隊の人員不足も補えます。

自衛官は全て野山駆け回って鉄砲撃てる元気な若者という前提を捨てて、フィジカル面は弱くても、専門分野で十分に役に立つ人材採用を模索すべきです。

更に申せば一線の戦闘部隊と、それ以外の後方部隊に分けるべきです。一線部隊は3個旅団で1個師団として、3個師団。後は後方部隊で極論すればトラックと小銃だけ。この部隊は「屯田兵」でもいいでしょう。災害派遣の主力にして普段は里山の管理や害獣駆除などを担当すればいい。あとは農繁期に隊員を派遣して一定の料金をとってもいいでしょう。
害獣駆除には狙撃やメデックの要員を一定期間配置して、技能を上げるべきです。

メデックでも本物の怪我を見る機会は多くはありません。動物といえども、怪我や内蔵の配置は人間と対して変わりません。実際に普段から死傷した生き物を見たり、解体することはメデックの教育に有用でしょう。実際の戦場で血を見ただけで失神されても困ります。





そういえば先程ランチにいっていたのですが、隣の席の二人組が、陸幕の調達で2国や4国でのサプライで高くなったアメリカの金利の負担に関してのスキームが云々とか言っていました。
会計していると「隣にいた連中はユニクロ着ているし、話はわらなねえよ」とか言っておりました。ところがわかるんだよなあ。(笑

よほど名乗り出てあげようかと思いましたが、大人なのでやめておきました。
あまり食事の場で具体的なお仕事の話をしないほうが宜しいかと。
中野でハラミステーキと牛すじシチューを食べていたあなた方。(笑

以前は四谷の駅のホームで陸幕の人間がOH-1の飛行停止に関して、ぼくの目の前で議論しておりました。
官も民も情報保全には気をつけましょう。


Japan In Depth に以下の記事を寄稿しました。
新聞が誤報する史上最大の防衛補正予算
https://japan-indepth.jp/?p=63181

この記事へのコメント

ミスターフリゲート
2021年12月16日 11:44
>陸自は大幅に削減すべきです。
師団規模の機甲部隊が本土に揚陸してくる可能性は、火星人やゴジラの襲来よりも多少高い程度です。対してサイバー攻撃は既に受けているわけです。どちらに資源をつぎ込むべきかは明らかです。
現大綱の戦車、火砲各300輌はやめて各100程度に減らすべきです。浮いた一個旅団程度の人員はサイバー、ネットワーク、無人プラットホームの要員などに回すべきです。

戦車はともかく自走榴弾砲は全廃、FH70火砲も70くらいまで大幅削減すべきです。

>更に陸自の定員を減らして、海自に割愛、調達部門に振り分けるということも必要です。それに1~3万人程度減らせば人件費も浮きます。その場合一番人件費が高い将官とそのポストの削減を行うべきです。

海自の方も統合電気推進式にしたり、艦載ヘリは全て無人化、哨戒機も半分近く無人機にするほか、従来の汎用護衛艦をフリゲートタイプまでコンパクト化したものに置き換え(むらさめ型はそろそろ30年を向かえる)をするといったことも必要になるかと。
偽陸士
2021年12月16日 11:44
陸自の機甲科人員を減らさす、且つ無人化を推進したいなら、戦車全部ラジコンにすれば宜しいかと。

等身大のラジコンで実際火も出るとなれば、志願者も殺到するでしょう。

とまあ、冗談はさておき現在の機甲科の隊員にはオモチャのドローンを与え、次第に高価なドローンを触る様にさせて行くべきです。

あとサイバー戦隊を新設して酷使の皆様にがんばって頂きましょう。
やれやれ
2021年12月16日 13:31
「日本は負けた」系ニュースが急増しても事実を認めない人々の“負けパターン”
https://diamond.jp/articles/-/290778
全くその通りだと思います。自分にも心当たりがありますが、業界に身を置くと今後どうなっていくのかだんだん分かってくるものです。見当違いの擁護論をする専門家達が何言ってるんだ?って感じに見えますからね。実際は悲観論の方がより現実の状況に近いと言うのに擁護論者は楽観論の上に加え最善の状況に成るという大凡ありえない状況で語りますからね。都合の良い情報のみで理論立てするとそうなりますがな。これは産業、防衛関係なくどの分野でもあることで不都合な事実から目を背けた結果と言えるでしょう。
ネトウヨや酷使様はどこの世界にもいると言うことで。
ご参考まで。
マリンロイヤル
2021年12月16日 19:48
地対艦ミサイル部隊と、それを敵の攻撃から守る地下陣地を造る工兵部隊は増強が必要でしょう。飽和攻撃するには、同時に発射できる数を大幅に増やす必要があります。部隊を隠せる範囲を増やすために射程距離延伸が必須ですね。
Goodman80
2021年12月16日 20:29
戦車はネックの「市街戦」を生き残れるか 様変わりした戦争で各国戦車の対応は…?
https://trafficnews.jp/post/113505
市街戦に戦車は不要。BMP-Tの様な物を200両、戦車は100両程度で良いでしょう。国内戦はテロや特殊部隊が相手になるだろうから普通の兵隊さんは装備の点で大きく上回らないと簡単にやられてしまう。特殊部隊が駆けつけるまで、対応出来るだけの装備を与えておく必要が有る。まあ、いじめで自殺する隊員の数よりは少ないだろうが。
やれやれ
2021年12月16日 21:10
「以前は四谷の駅のホームで陸幕の人間がOH-1の飛行停止に関して、」
四谷はともかく中野辺りでも漏れるんですね。
笑えない話ですが自分も遭遇したことがあります(汗)。
以前も書きましたかね?航空写真仲間で集まって忘年会よろしく飲み会していたのですが首都圏近郊あちこちから集まったので都合で市ヶ谷集合に(笑)。
で居酒屋で歓談していると某A症患部?と思われる人たちが近くにいたようであんな話やこんな話が聞こえてくるんですよね...スパイいたら歓喜でしょうね。市ヶ谷にオフィスのある人(防衛省自衛隊の人じゃないですよ)が居酒屋飲みに行くとこんな話はよく聞こえてくるんですよね...場所が場所だから、だそうです...
そして市ヶ谷駅のホームで解散する時も、あーあれ自衛隊関係者だね、〇〇の話してるし、って具合です...
F4後継機がF35に決まる少し前頃の話です。
市ヶ谷に飲みに行くと楽しい裏話が聞こえてくるかも知れませんよ?(コロナで飲み会禁止になってるかも知れないですけど)。
19190213
2021年12月16日 21:24
>そういえば先程ランチにいっていたのですが、隣の席の二人組が、陸幕の調達で2国や4国でのサプライで高くなったアメリカの金利の負担に関してのスキームが云々とか言っていました。
会計していると「隣にいた連中はユニクロ着ているし、話はわらなねえよ」とか言っておりました。ところがわかるんだよなあ。(笑

よほど名乗り出てあげようかと思いましたが、大人なのでやめておきました。
あまり食事の場で具体的なお仕事の話をしないほうが宜しいかと。
中野でハラミステーキと牛すじシチューを食べていたあなた方。(笑

以前は四谷の駅のホームで陸幕の人間がOH-1の飛行停止に関して、ぼくの目の前で議論しておりました。
官も民も情報保全には気をつけましょう。


昔から酒の席や飯の場所ではこの手の情報流出が絶えないことからさんざん注意喚起がなされていたはずです。
もはや部外で食う時は一人飯をしないといけないと通達を出さないといけないんじゃないかと。

余談ではありますが、電話をするときも注意が必要です。
氏名と電話番号といったものは何かしら予約をする際にも使うものですが、これを又聞きしその上でSNS上で検索を掛け生年月日を確認し今度は携帯電話会社に電話しその上で本人確認をすり抜け情報を抜き取るといったことを一寸前のセキュリティの記事で見かけた気がします。
携帯電話会社というのは、生体データまで確認する訳じゃないんで暗証番号が不明な際の予備の確認方法を逆手にとって突破できなくないという記事であったと思います(めっちゃ大雑把ですが)。

故に、電話をする際は場所を選んで聞かれぬように通話するべきかと思います。
もしくは部内で採用しているツール(teamsとかslackとか)を使うとかの方が良いかもしれません(信頼できないWi-Fiは当然使わない前提ですが)。

セキュリティってやりすぎると本当に仕事しにくくなることもあるんですが、基本的なラインだけは最低限超えないように用心する必要性があります。

一寸用心するだけで大分部分は防げるものなので、その一歩がとても大切だと思います。
脆弱性とかそういうものを攻撃されるを防ぐのは難しいとは思いますが、少し基本を見直すだけでも大部分は防げるのですからきちんとやって欲しいものです。

個人的には、”点検”するための部隊があっても良いと思います。
巡回し個人情報を抜けたら、攻撃をしかけて点検する。
該当する部員が管理する部署に詐称し電話をかけ情報資料が抜けないか確認する。
或いは当人にシステム管理者を名乗り電話を掛け、”システムのメンテナンスのためユーザIDとパスワードを確認させていただきます”といった誘導を仕掛ける。

或いは偶然を装い酒の席で近づき意気投合したように見せかけ散々飲ませた上でセキュリティカードを抜き取る。

処分となるとやる方もやられる方も大変なので、訓練の一環でやるべきかなと思います。

運転と同じで怖い思いをしないと分からないもんですよ。
KU
2021年12月16日 22:27
>>>お仕事の話

壁に耳あり障子に目あり。スパイは貴方の隣に~(^_^;)。誰がどこでどう聴いているか分かりませんよねえ。こういう形で、いろんな機密が当の本人も気付かないうちに、どんどん駄々漏れになるんだろうなあ。人の口に戸は立てられませんしね。

>半導体 大競争時代に突入 日本の勝ち筋は?

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211214/k10013387761000.html?utm_int=news-business_contents_tokushu-business_003

経産省も防衛装備品でも、このくらい気合いを入れてほすいですよぬ( ノД`)…
やれやれ
2021年12月17日 10:15
KUさん、

その記事に期待しない方が良いですよ。
私がちょっと前に投稿した負けパターンと同じ構図です。
こうなったらいいなあ、みたいなもので現実性はありません。
TSMCにしたところで最新のプロセスでないのは記事の通り。
推測ですが車載LSIの製造になるのではないかと見ています。
つまり火事でやらかした某半導体工場達の予備用ですね。
リスク分散目的ではないかと思っています。
それ自体は悪いことではないのですが何故にリスクの高い熊本に?と思わなくもありません。まあ日本中リスクだらけなのでどこでも変わらないだろうと言うオチはありますが、ちょっと阿蘇山の動きが不気味なので。

どうすれば半導体で巻き返しできるのか...
いまトップで走っている分野についてはどんどん投資して
追いつかれないように研究開発、工場を増強する事でしょう。パワー半導体などは日本が得意のようなのでEV(電動車)がもっと増えると使用数も増えるでしょうから。
更にEVに最適化するとか知恵出して世界中の自動車会社が日本性以外は使えないと言うところまで行かないと。そして誰も追いつけない境地まで延々と走り続ける。

最先端の微細化技術に追いつくのは投資額が何十兆円、
いやお金以前に技術が無いから経験ある天才をヘッドハンティングしない限り難しいでしょう。
勝てる方法はアイディアや設計で世界を出し抜きTSMCに委託して半導体製造してもらいそれをバンバン売る、それを使用した製品を売る、のが一番の近道でしょうか。
そういった事で大儲けしている会社は一杯あります。
富岳のCPUも富士通設計でTSMC製造です。富岳をバンバン売るとか雰囲気はそんな感じです。それがうまく行かないようだと何十兆円投資しようが国内に工場を作ろうが結局衰退します。
地道な研究開発とアイディア、これが無いと駄目と言うことです。無いのが今の日本です。だから衰退する...
マリンロイヤル
2021年12月17日 15:13
>>【追記しました】

では私も追記で、今のところ上陸する可能性は無くても、要注意な状態です。中国の海運会社が保有する船舶量は日本を超えました。中国は海運会社を「企業民兵」と称して平時から軍に編入して訓練を施しています。護衛が出来るなら輸送は民間船で十分。米軍は総数はまだ多いが、局地的には数的優位を失った。こういう状態は冷戦中も無かったことで、注意が必要です。

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