陸上自衛隊に戦略単位なし

まあ、絵に描いた餅になるでしょう。

陸上自衛隊、南西諸島へ全部隊展開可能に 台湾有事備え
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA283Z60Y2A221C2000000/


>防衛省は陸上自衛隊が持つ計15の師団と旅団について南西諸島に展開可能な部隊に改編する。沖縄県の部隊以外は持ち場を離れることができる機動運用を基本にする。台湾有事に備え南西方面の防衛を厚くした体制に切り替える。

>師団は独立して作戦を遂行する基本単位で4900~7700人ほどで構成する。旅団は師団より小規模の2000~4000人程度を目安に編成し、ともに歩兵や対空戦闘、通信などの部隊を持つ。

>18年末に決めた「防衛計画の大綱」は陸自の体制について機動運用部隊は4個師団・4個旅団の8つと定めた。決まったエリアを原則守る地域配備部隊は5個師団・2個旅団の7つだった。
>新たな計画で沖縄以外の14の師団・旅団は機動運用の部隊と規定し、全国の部隊を柔軟に動かせるようにした。首都圏を含む1都6県が担当の第1師団、九州北部の第4師団などの位置づけを改める。

>輸送力も高め、あらかじめ契約して緊急時に活用する民間の船舶をいまの2隻から6隻に増強するよう調整する。23年度からの5年間で空中給油・輸送機13機や輸送船舶8隻を取得する。


現状ナポレオン戦争前の封建軍隊みたいなのが、陸自の部隊です。
本来師団、旅団は戦略単位です。師団何個でこういう戦いという作戦を立てるわけです。ですが陸自の場合、これがぐちゃぐちゃです。
まず普通は旅団いくつかで師団を編成しますが、師団と旅団が並列。しかも機甲師団はともかく、政経中枢師団とか、師団、旅団でも機動師団・旅団と地域師団・旅団があってまるでカスタムメードで定量化されていません。これでは大規模な作戦は無理でしょう。兵站とかどうやって計算するんでしょうかね。また海上輸送や空輸にしても同様です。

本来もっとスッキリさせるべきです。それ以前に定数が揃わない部隊が多いわけで、師団旅団の数を減らすべきです。このさき無人プラットフォームやネットワーク化などの部隊要員が必要です。

まず従来の師団を全部改変して旅団に統一すべきです。数個旅団で師団をつくり、方面隊は基本廃止です。

例えば、空挺団、水陸機動団、第一ヘリ団、特殊作戦群などを集めて緊急展開師団にする。中央即応連隊は通常の連隊に戻す。

第7師団は機甲旅団にして、機械化旅団は5~8個編成は統一する。これを2~3個と、地域警備や災害派遣などを中心とした独立連隊を各2、3個づつぐらいで師団を編成する。であれば3~5個師団です。富士教導団は戦略予備です。

更に申せば第一ヘリ団を拡充するか、第二ヘリ団を増設すべきです。
オスプレイは3~4機を特殊部隊用のCV-22に換装して、残りは海自のDDHで使えばよろしい。現在特殊部隊用の航空機はUH-60しかありません。であれば固定機兼ヘリとしてCV-22を使えばいい。本来海自ではヘリのエンジン運んだり、哨戒機が墜落した場合の救難用にAW-101を買うはずだったのがケチがついて有耶無耶になっていますから、その代わりならばいいでしょう。有事には揚陸作戦にも使えます。そうしないと陸自の航空隊のヘリを増やせません。というか、現状ですら回っていません。
オスプレイは全機海自に移管してCV-22の運用も任せてもいいでしょう。


正面戦闘に使う戦闘部隊を少数精鋭にしてその代わり充足率を挙げ、装備も外国並にすべきです。10倍に薄めたカルピスみたいな今の師団旅団ではあるだけ無駄です。

■本日の市ケ谷の噂■
かつて陸自の北部方面隊で某師団長が演習中に天幕内にキャバレーを作り、女性看護官に「拒否したら飛ばすぞ」脅迫して下着にシーツ姿でホステス役を強要。その後大量の女性看護官が離職した、との噂。

この記事へのコメント

ミスターフリゲート
2023年01月05日 19:35
在日米軍の指揮権、ハワイから東京へ 自衛隊と連携強化へ再編案
https://mainichi.jp/articles/20221230/k00/00m/030/293000c

http://blog.livedoor.jp/googleyoutube/lite/archives/52000503/comments/148529/

完全に侵略、これ盾扱いされて日本滅亡だろの阿鼻叫喚です。実際ヤバそうです。

>正直今の日本の腐った政治も米支配も中露に壊してもらう以外どうにもならなくねえか
攻め込んでもらってどさくさ紛れに独立とか

こんなめちゃくちゃなコメもありますが。ご参考に
やれやれ
2023年01月05日 19:41
■本日の市ケ谷の噂■
…いつの年の話か知りませんが現代の牟田口廉也でしょうか?
かの御仁はインパール作戦の時にも芸者引き連れて宴会していたとかしなかったとか。
とにかく頭おかしいでしょ?そりゃ逃げますわ。
KU
2023年01月05日 20:20
>>>師団旅団の数を減らすべき

戦車や師団特科が削減された時と同様、清谷さんが言及されたなら、そう遠くない時期に実現しそうですね(((^_^;)。

>>>市ヶ谷の噂

また、文春砲あたりで大々的に報道されたりしてw。去年、あれだけ叩かれたのに陸自も懲りないよなあ...。
Goodman80
2023年01月05日 21:37
豪、米国製ロケット砲購入へ ウクライナでの実績評価
https://www.jiji.com/jc/article?k=2023010501036&g=int
くっその役にも立たない装輪自走砲など止めてこれ買った方が100万倍ましなんじゃ。
まあ、国内じゃ全然撃てないんですけどね。
偽陸士
2023年01月05日 22:58
市ヶ谷の噂を聞いて、これを連想するのは私だけかな?


http://kathry1111.livedoor.blog/archives/6142013.html


日本人がちっとも進歩しないとは。

がっかりだけど、兵長の胆力には救われる。

私もかく在りたい。


ミスターフリゲート
2023年01月05日 23:28
日本に居続けるリスク 「安定」捨てて海外移住した人たちが遭った壁
https://www.asahi.com/sp/articles/ASQDX4WQMQDVUPQJ006.html

このまま日本は、優秀人材は居なくなって持続不可能になり、海外に行かない、行く気ないなど、残された人はもう諦めて滅びを待つべきなのか。ご参考程度に
ミスターフリゲート
2023年01月06日 01:01
goodman80さん
>まあ、国内じゃ全然撃てないんですけどね。

何故に
偽陸士
2023年01月06日 06:55
ミスターフリゲート様。


有事はともかく、訓練で最大射程で撃つと演習場の外に飛び出してしまいます。

それ故、海外の射場に行ったりわざわざ縮小弾を造って訓練に使ったりしてます。

そして肝心な有事なんですが、民間資産の損害を顧みず撃ちまくる事が果たしてできますかどうか。

それに国民自体、軍事を忌み嫌い侵略される事のリアリティーが無いので市街地での訓練はできません。

よって有事でも使えるか怪しいものです。

演習では撃てていますが....
Goodman80
2023年01月06日 08:36
ミスターフリゲートさん
昔はFH-70の射程24Kmが射撃できる射場が有ったんですが、地元のゴリ押しで真ん中に道路が通されてしまい、運転者が驚くのでまたがった射撃はダメとおっしゃるのでので、せっまい処で射撃する為、計算違い等で民家の側に落下して「我々を殺す気かー、自衛隊出ていけー」とかと時々でますね。元々射程30Kmの長射程弾など撃てませんし、対艦ミサイルとかは海外でしか射撃できません。
HIMARSを装備すれば方面隊エリアを全面カバーできるので、少数精鋭の自衛隊にはもってこいの物だと思うんですが。
Goodman80
2023年01月06日 11:06
NATO屈指の陸軍大国へ 米製M1「エイブラムス」戦車を追加調達 ポーランド
https://trafficnews.jp/post/123619
M1A2 SEPv3なら60tをかるーく超えるから日本では移動をさせるだけで道路選びが大変なことになる(埼玉なんかなら有料道路だけかな)。先ずはアスファルト道路と橋の老朽化の改善が急務だな。防衛費の無駄な浪費部分だけでも結構な面積が改善できる(はず)。
ミスターフリゲート
2023年01月06日 11:12
偽陸士さん、goodman80さん
>それに国民自体、軍事を忌み嫌い侵略される事のリアリティーが無いので市街地での訓練はできません。

以前清谷氏は海外に演習場を設ければ?と記事出してるんで、それが参考になるかと。市街地訓練ならオーストラリア軍のキリングビレッジやイギリス軍SASのキリングハウスでもできるかと
ssao
2023年01月06日 11:18
清谷さん、海外の緊急派遣用として中央即応連隊は必要ではないでしょうか?2021年のアフガニスタン共和国崩壊の様な時に海外邦人保護で必要な部隊では?(やるかやらないか出来るか出来ないかは別として)
やれやれ
2023年01月06日 18:11
初の国産機の夢破れ 防衛部門に配置転換
https://mainichi.jp/articles/20230105/k00/00m/010/350000c
有料記事ですがご参考まで。
MSJ(旧MRJの状況がよく分かりそうな記事です)。
もう飛ぶこともないんでしょうねえ...
結局1回も本物を見ることは無かった...飛んでいる姿も...
ウクライナ戦況
2023年01月06日 18:35
ロシア軍カウントダウン!渡部元陸将「ロシアは弾薬ナシ、装備ナシで大攻勢は不可能」と断言。戦車用弾薬の無駄遣いに無謀な戦術。ドイツからマルダー歩兵
https://www.youtube.com/watch?v=MFCwOxaXHeA&list=RDCMUC6ylTkexHwwJo_22V35lx0A&start_radio=1

ウクライナも停戦する気無し。ロシアは、キューバ危機ぐらいに捉えている。ウクライナ兵站拠点への戦術核攻撃が迫っている!
ウクライナ戦況
2023年01月06日 19:07
プーチンの攻め方を見ていると、初戦の時期は、民間人の被害を抑える攻め方をしていて、徐々にエスカレーションさせて行っている。柔道でジャパニーズブシドーを学んでいる事だし、アメリカのように民間人を根絶やしにする様な攻撃は直ぐにはしないだろう。前線部隊への戦術核攻撃は効率が悪いらしい。となると兵站拠点が狙われると思います。
無能陸士
2023年01月06日 23:56
市ヶ谷の噂いつも楽しみです
昔はなんでもありですよね
旧日本軍から何も変わってなくて笑えます
Goodman80
2023年01月07日 11:27
米空軍の新しいB-21爆撃機は6機のF-35A戦闘機に相当する
https://milirepo.sabatech.jp/us-air-forces-new-b-21-bomber-equals-six-f-35a-fighter-jets/
>オーストラリア戦略政策研究所(ASPI)の専門家は現在ある情報をもとに機体性能など分析、B-21はF-35Aにはない長距離攻撃、6機分のF-35Aの攻撃能力に相当するとして、対中国を念頭にオーストリア空軍への配備を提案している。
日本の有能な国会の専門家さん達も当然検討位はしてるんでしょうね。
マリンロイヤル
2023年01月07日 12:56
ロシア軍がやってた「大隊戦術群」が陸自には合ってるのでは、と思います。自衛隊は偵察能力が低くて、上級司令部は情報の取捨選択どころか、何の情報も手元に無い可能性だってある。こんな状態で大きな部隊を編成して指揮したら、全滅する規模が大きくなるだけだ。権限を大幅委譲して低い階梯で判断する方が、OODAループを早く回せて先手を取れます。ウクライナと違って、日本本土はもちろん島嶼ならもっと戦場は狭いし、輸送も小さい方がやり易い。外国軍レベルの大隊を複数用意して、旅団師団は人員装備の供給源の役割だけにしたらどうか。
偽陸士
2023年01月07日 22:12
SSAO様。

中央即応連隊を国土交通省に移管し、国境警備隊を編成しましょう。

日本軍が来たと身構えられるよりも、普段から国境警備隊同士で交流のある組織から派遣されている体裁の方がやり易いかと。

現行の装備プラスA400MとCoin機やドローンを付加すれば、海外の邦人移送からテロ対策、離島・原発・在日米軍基地・在外公館などの事案対処に最適です。

PKOは止めましょう。
他人の喧嘩に捲き込まれるのは割りに合いません。

あと海外に行く日本人は誘拐保険の加入を義務づけるべきです。
社命なら会社負担、旅行なら個人負担で。
危機管理会社が身代金交渉から、傭兵の派遣までやってくれますし、何より危ない所を教えてくれます。
ミスターフリゲート
2023年01月08日 00:18
偽陸士さん
>中央即応連隊を国土交通省に移管し、国境警備隊を編成しましょう。

その手もありますか。名案ですが、ただ沖縄県警の国境離島警備隊と被ってしまいそう。もし編成するなら海上保安庁と合併の可能性も?
Goodman80
2023年01月08日 08:38
ミスターフリゲートさん
国境警備隊は陸上と海上を担当し、陸自は陸上部門へ、海自の地方隊と航空部隊、空自の輸送部隊等を海上部門へ編入しEEZ内を担当。海保は接続水域まで、EEZ外は海自の護衛艦隊が担当。空自や海保の無人機部隊も海上部門へ。海保の大型艦と人員は海上部門へ編入。とりあえず、この程度で宜しいかと。
ミスターフリゲート
2023年01月08日 11:50
goodman80さん
>陸自は陸上部門へ

離島防衛や奪還、ミサイルによる接近阻止はどうするのでしょう?
Goodman80
2023年01月08日 12:27
ミスターフリゲートさん
>離島防衛や奪還、ミサイルによる接近阻止はどうするのでしょう?
海兵隊を師団規模で作り、海外への対応を行わせればいいと思います。キヨタニ氏も海兵隊を作るように言ってますし。
接近しての上陸とかは、日本の海自・空自だけでも接近はほぼ不可能なのに、在日米軍がいるんだから絶望的に可能性が低い想定です。昔、北朝鮮が韓国でやったような潜水艦にコマンドを乗せた作戦も、騒音をまき散らす様なSSでは現在では無理でしょう。仮に多大な犠牲を払い、少数が上陸できたとしても、待ち伏せている今の陸自や警察でさえ対処可能です。
ブロガー(志望)
2023年01月09日 20:56
お邪魔します。
 杉山隆男氏の『兵士』シリーズで「港から出撃して港に帰るのが海軍、必要に応じて移動しかつそこに留まり続けるのが陸軍、つまり陸軍の舞台にとって駐屯地は『仮の宿』に過ぎない。しかし陸自の部隊は『土着化』しているようにも思える。」といった事が書かれてあったように記憶しています。もしかしたら陸自の部隊は「土着化」というか「共同体(ムラ)化」していて、「戦略単位」というか軍事的合理性や国全体の最適化とは無縁になっているのかも知れません。問題なのは「共同体(ムラ)化しないと日本人には居心地悪く感じる。最悪の場合機能しなくなる。」事ではないかとも思ったりもします。例えば浄土真宗の開祖親鸞は阿弥陀如来の前での絶対平等を唱え、弟子も「御同輩」と呼んだそうですが、浄土信仰自体は盛んでも親鸞の系統はずっと鳴かず飛ばずで、その後親鸞の血統を神聖化しある種の「家元制」にする事で発展したと聞いています(その後信長や家康が恐れる程に)。
 それから余談ですが中国は一人っ子政策をやったせいで日本以上に急速に少子高齢化が進み、先進国になる事無く高齢化社会になるのではないかとも言われています。ですから今は物凄い勢いで上昇しているように見えても、それは長く続かないかも知れません。戦争特に近代戦は人を「消耗品」として扱う事で遂行できますが、少子高齢化ではそれは難しいでしょう(断絶する家が続出か)。尤もそれは日本と中国が「共に堕ちる」事なのかも知れませんが。