防衛事業の国営化は失敗する。

防衛事業を国営化するというお話ですが、失敗します。
それは当事者能力がないからです。

防衛産業、事業継続困難なら国が買い取り可能に

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO67796450S3A120C2PE8000/

>政府は23日召集の通常国会に提出する防衛産業の生産基盤強化法案で、重要な防衛装備品の製造や修理体制を維持する仕組みをつくる。関連企業の事業継続が難しい場合は国が生産施設を買い取り、生産・管理を別の民間企業に委託できるようにする。

装備品を巡る国内の基盤を保ち、有事の継戦能力を高める狙いがある。

>米国には政府が施設を所有し、民間企業が装備品の生産に使う制度がある。事業を引き継ごうとする企業にとって初期コストを下げることができ、防衛省にとっては自衛隊の運用に不可欠な装備品の製造基盤を存続できる利点がある。

>法案には国内企業の競争力向上や販路拡大を支える取り組みを明記する。生産施設の国有化については支援策を尽くしても他に手段がない際の施策と位置づける。

生産基盤を強化する事業者に経費を払う制度も新たに設ける。(1)製造工程の効率化(2)サイバー(3)供給網の強靱(きょうじん)化(4)事業承継――の4分野が対象になる。2023年度予算案で363億円を手当てした。


既に繰り返し申し上げておりますが、川上の改革を行わず、川下の改革をやると宣伝しているだけです。そして失敗します。

まず調達の計画が事実上ない。
何をいくつ、いつまでに生産=戦力化して総額はいくらか。他国が皆やっている計画がない。ですから本来事業計画なんて立てられません。こんなことは町工場の社長でも知っている話ですが、それを無視しているのが今の防衛産業です。いかにいい加減な商売をしているか、ということです。
今や国産兵器といっても輸入コンポーネントが多いわけですから、これをやっていると
海外ベンダーから愛想をつかされるし、高いレートの値段を提示されます。

そして業界の再編成も防衛省では主導できないし、やる気もありません。クズレベルの防衛メーカーをそのままにして、再編もせずに効率化や儲かる商売ができるわけがないでしょう。

そうしてどうしようもなくなって、生産設備を買い取る。
で役人が回す。そんなことがうまくいくわけがないじゃないですか。

防衛省では以前から装備調達に関して、ホンダやトヨタの購買やコストダウンの経験者を
採用するという話もありましたが潰れています。本気で改革なんかするがないからです。

民間企業がバンザイした事業を引き継いでも赤字が累積するだけでしょう。クールジャパン事業と同じ結果になるでしょう。

やるのであれば、まず調達計画を明示するような改革を行う。
合わせて事業の統廃合を行う。これが最低限必要です。

その上で国営化が必要な事業は民間出身者をトップに据えた株式会社形式の
会社を作って株式を上場して、IR情報を開示すべきです。
利益を出せないような事業を抱え込んで、税金を浪費すべきではありません。


東京財団委託政策提言
「国営防衛装備調達株式会社を設立せよ」
http://nippon.zaidan.info/seikabutsu/2005/01023/pdf/0001.pdf

国営兵器会社をつくるための提言をしております。


Japan In Depthに以下の記事を掲載しました。
失敗作、P-1哨戒機の調達は中止すべきだ ①
https://japan-indepth.jp/?p=72713

失敗作、P-1哨戒機の調達は中止すべきだ ②
https://japan-indepth.jp/?p=72743

■本日の市ケ谷の噂■
防衛医大では臨床工学技士も不足しており、今般のコロナ騒動では、医師がECMO(体外式人工肺)を始めたが、交代で支援してくれる臨床工学技師がおらず、医師が24時 間、1か月はりつけというブラック勤務で嫌気がさして退職、との噂。