SAF燃料の将来 航空用より自動車用
航空燃料が試す安全保障
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO83446890T10C24A9TCR000/
そもそも論でいえば、なぜSAFを導入するかというところをしっかりすべきです。
CO2増加による温暖化というのは、税金を食うための利権とマスヒステリーです。CO2増加が人間のせいだというエビデンスはありません。
環境活動家や、それをいうことで利益がある政治家や企業が世論を操作しているだけです。それで儲かる人たちがいるわけです。食品のフェアトレードと同じです。
事実EUでは内燃機関車両全廃し、EVに置き換えるという過激な政策をひっこめつつある。日本車に勝てないから、EVでいう思惑がEUにはあったのでしょう。ですが、蓋をあけたら中国とテスラの一人勝ちです。
そもそも本当にEVにしないと地球の機器ならば軍用車両はみんなEVにすべきですが、そんな話はまったくない。これを見れば語るに落ちる、というところです。
長期的にみればEVが進化して、使い勝手がよくなれば更に普及するでしょうが10年後に全部EVにしろというのはファナティックです。
無論地下資源の濫費は長期的に見れば控えるほうがいいでしょう。また途上国でおきている大気汚染もSAF導入でかなり緩和されるでしょう。
ぼくは、自動車はディーゼルのハイブリッドにして、燃料にSAFを多用するほうが現在のEVよりも環境負荷が小さく、インフラ投資も少なくて済むと思います。ほとんどインフラの投資は必要ない。EVにしろ、水素にしろ莫大な投資が必要です。SAFの原料にて天然ガスから作る燃料も含めるべきです。石油由来よりも燃費がいいし、大気汚染もすくないからです。
>コスモ石油堺製油所(堺市)では、日本初となる再生航空燃料(SAF)の量産プラントの建設が大詰めを迎えている。2024年度中の完成を目指している。
>SAFとは廃食油、都市ごみなどの循環型原料でつくる航空燃料だ。石油からつくるジェット燃料に比べて大幅に温暖化ガスの排出を減らせる。堺製油所の生産量は年3万キロリットル。既存のジェット燃料に3割混ぜれば東京―ロンドン間を700回飛行できる。
>原料の廃食油は全量を国内で調達する。「丸亀製麺」「スシロー」など消費者になじみ深い外食チェーンが調達先の候補に名を連ねる。家庭からの回収にも努める。ENEOSや出光興産も国内での生産や輸入を準備している。
>国際民間航空機関(ICAO)や国際航空運送協会(IATA)は50年のカーボンニュートラルを掲げる。航空業界の温暖化ガス排出量は世界全体の3%程度だが、乗客1人を1キロメートル運ぶ際の温暖化ガス排出は鉄道の6倍と多く、「飛び恥」と批判されてきた。
こういうのは環境左派や環境利権屋の世論誘導です。
>SAFを求めるのは航空会社だけではない。米マイクロソフトはオーストリアの石油会社OMVなどとSAFの調達契約を交わした。その環境価値を社員の出張や製品輸送で使う航空機からの温暖化ガス排出の削減にあてる。
気候関連情報の開示を企業に求める流れも強まっている。自社工場が出す温暖化ガスだけでなく、原料調達から廃棄に至るすべての活動で排出削減が求められ、そのなかには社員の移動や製品輸送にかかわる排出も含まれる。グローバル企業は自前で再生エネやSAFの確保に走り出した。
こういう変化には莫大な投資が必要であり、それは本来必要ない。利権屋が儲かるだけの仕組みづくりです。それを批判すると「非国民」扱いされるので、多くの企業は従ってしまいます。
それほどいうならば、旅客機はジェット機を全廃してターボプロップにすればいいじゃないかと思いますが、そんな話はでてきません。
>廃食油を原料とするSAFは致命的な弱点を持つ。需要を満たすには世界中でまったく足りないのだ。
>IATAによれば、24年のSAF生産量は前年比3倍に増えるが、燃料全体の0.5%どまりだ。航空燃料をすべて置き換えるには50年に3億トン以上が必要だ。
>SAF生産は廃食油や獣脂を使う製法が先行する。エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)調査部の中島学氏は「世界の廃食油は3000万~4000万トン。半分をSAF原料に確保できても、30年時点で米欧の規制・目標量の合計である1300万トンをやっと満たせる程度で、廃食油はいずれ足りなくなる」と指摘する。待ち受けるのは争奪戦だ。すでに価格上昇が起きている。
別に全部を廃油由来にする必要はない。それまで費用を掛けて捨てて、なおかつ廃棄に金がかかる廃油を利用できる、という点で満足すべきです。
>不足を補うには別の原料をみつける必要がある。トウモロコシやサトウキビなどを原料とするバイオエタノールからSAFをつくったり、非可食性の植物を原料に使い、その耕作地を増やしたりする技術革新を追求するしかない。
これは以前流行ったグリーンエナジーです。穀物メジャーの陰謀です。とうもろこしなどを燃やせば、その増産が必要となり彼らが儲かります。だからアマゾンの森林を伐採してとうもろこしを栽培しようという話もありました。
バイオマス発電も同じです。本来バイオマス発電は製材所から出る廃材を利用して発電や給湯を行うもので地産地消の小規模なものです。ですが大規模なものは熱帯林を伐採して多量のアブラを使ってフネやトラックで運搬します。これがエコなわけがないでしょう。
これまたサトウキビの絞りカスなど廃棄すべきものをリサイクルできるということで我慢すべきです。
>それでも足りない供給を満たす手段として合成燃料に期待が集まる。水素と工場などから回収する二酸化炭素(CO2)を反応させてジェット燃料を人工的につくる技術だ。50年には最大のSAF供給手段になるとみられている。
>そこでも壁は原料となる水素の確保だ。発電や製鉄、自動車などの基幹産業も脱炭素の手段として水素をあてにする。もし国内で生産する銑鉄をすべて水素還元製鉄でつくるなら600万~700万トンの、都市ガスの9割を合成燃料に置き換えるなら1400万トンの水素が必要だ。それも温暖化ガスを出さずにつくるカーボンフリー水素でなければならない。
そんなことを不可能に決まっています。水素作るにもエネルギーがいります。
>世界の脱炭素はイノベーションの途上にある水素で帳尻をあわせる絵を描く。福島県浪江町にある国内最大級の低炭素水素の製造設備は、太陽光パネルを東京ドーム4個分の面積で設置し、生産できる水素は年間約200トンだ。国内調達が非現実的となると、海外から持ってくるしかない。
太陽光発電は事実上昼間しか使えず、天候によっては昼間も無理です。発電コストも火力や原子力より相当高い。しかも現在メガソーラーが無軌道に作ることができ、世論の反対を受けています。これ以上メガソーラーは無理です。
輸出余力はどこにあるのか。太陽光、風力などの再生エネでつくるグリーン水素や、化石燃料から取り出すブルー水素のどちらであっても、広大な土地と再生エネ、化石燃料などがそろう条件を考えると結局、オーストラリアや中東・アフリカ、米国が候補になる。
現状最も安定しているのが天然ガスやシェールガスを原料とした合成燃料です。技術も確立されています。天然ガスを液化して日本まで運んで利用するよりも現地にプラントを作って燃料にした方が、液化のインフラやコストもなく安価です。
それから特に我が国の場合、経済安全保障という面からもエネルギー消費を減らすことが必要です。特に建物の冷暖房効率を上げることです。この点では欧州に大きく遅れています。断熱建物にすれば冷暖房に使うエネルギーが大幅に減ります。建て替えが無理でもサッシを替えるだけでもそうとうに効果があります。
このような小さな節約を積み上げていくことが必要だと思います。
European Security & Defenceに寄稿しました。
https://euro-sd.com/2024/09/major-news/40266/jgsdf-calls-for-numerous-afvs/
東京新聞にコメントしました。
兵器向け部品の値段「見積り高めでも通る」 防衛予算増額で受注業者の利益かさ上げ 「ばらまき」と指摘も
https://www.tokyo-np.co.jp/article/352551
月刊ZAITENに寄稿しました。
https://www.zaiten.co.jp/latest/
東洋経済オンラインに以下の記事を寄稿しました。
海上自衛隊の潜水艦メーカーは2社も必要あるか川重の裏金問題で注目される潜水艦の実態
https://toyokeizai.net/articles/-/774627
月刊軍事研究8月号に防衛省、自衛隊に航空医学の専門医がいないことを書きました。
軍事研究 2024年 08 月号 [雑誌]
Japan in Depthに以下の記事を寄稿しました。
「敵に手の内をさらさない」という防衛省、自衛隊の「敵」は国会と納税者か
https://japan-indepth.jp/?p=83101
新聞各紙 残念な防衛関連の未検証記事
https://japan-indepth.jp/?p=82844
日本の報道の自由度が低いのは記者クラブのせい
https://japan-indepth.jp/?p=82748
次期装輪装甲車、AMV採用を検証する その2 AMVのライセンス生産によって日本の装甲車事業は壊滅する
https://japan-indepth.jp/?p=81695
次期装輪装甲車、AMV採用を検証するその1
駿馬を駄馬に落とす陸自のAMV採用
https://japan-indepth.jp/?p=81667
東洋経済オンラインに以下の記事を寄稿しました。
航空専門医がいない空自に戦闘機開発はできない
やる気のある医官が次々に辞める自衛隊の内情
https://toyokeizai.net/articles/-/744651
この記事へのコメント
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/83250
どこぞの能天気なモドキ組織は今だに「やあやあ我こそは…」てきな時代遅れのお花畑組織だし、まあ、某国製の兵器も自爆装置だらけだけどな。
一応、大容量蓄電池を併用することでカバーはある程度できると言われてます。ただ、それでも火力には及ばないし、大容量蓄電池を置くスペースも新たに必要になるなど、それをどうするかは工夫次第。まあ少なくともメガソーラーはこれ以上は無理でしょう。
ペロブスカイト太陽電池は従来の太陽光に比べ設置や加工のハードルが下がる上、原料のヨウ素が日本で世界トップクラスの埋蔵量があるんで、産業振興にも繋がるかと。
【速報】上川外相「胸つぶれる思い」中国で襲撃された日本人学校の10歳男児死亡…再発防止へ「追加措置の検討を指示」
https://news.yahoo.co.jp/articles/127b517ea512acaac58ca3e9257d4842adb8aea0
最悪だ…。もう中国はダメだろう。
「ジェノサイド加担企業を出展禁止に」国際航空宇宙展に求める声。フランスで禁じる決定も
https://news.yahoo.co.jp/articles/f63ed4387d81b84a3292ee4e5b8dcffc0742455e
goodman80さん
いや、スギ花粉はなくすべきですがそこを開発したら土砂崩れが発生しちゃいます。
スギをなくすならメガソーラーではなく、広葉樹を植えるべきで、メガソーラーよりもペロブスカイト太陽電池を都市部のあちこちに貼り付けて発電した方がいいかと。
理由は簡単で安価に大量に生産できないことと価格が非常に高くてとても車には使えないという事です。
石油を掘って生成するほうがいかに楽ちんかと言う話です。
大量な産油国を除いて世界でも最も安いガソリン価格の日本においてたったのリッター200円でブーブー言って年間何兆円も補助金で無駄に消費して生産性はなんらあがらず嘆かわしい。
それをガソリンもディーゼルもSAFにしてリッター1000円(安くても)にすると言ったらどうなります?それが答えです。外国でもリッター350円位のガソリンでヒーヒー言っているのに容認するとは思えません。
大量に作れば安くなる?その頃にはEVが席巻していてエンジン付きの車は追い出されるでしょう。
結局高価過ぎるSAFは航空機の様に他に代替燃料のないものに使うしか用途が無くなります。庶民には無用の燃料ですよ。
因みにRIATでエゲレス国のアクロバットチーム(レッドアローズとユーロファイター)はSAFを混ぜた燃料を使っていました(アクロ機専用のタンクローリーにそう書いてあった)。他にも使っていたかどうかは分かりませんが。
国有林なら少々の地崩れくらいじゃ大した被害など出ません、整地してまたソーラーパネルを敷き詰めれば済みます。広葉樹など植えても真面な管理など出来ないんですから、はげ山に成るのは変わりません、元の雑木林に戻すなら別ですが、そんなことは不可能ですし。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2024091900012&g=int
陸幕長さんイスラエル製の兵器を調達しないんだから、「日本製の無線機」も調達禁止にしないと。どうせ全然使い物にならないんだから。ついでに「日本製の電子機器」も全部。
現時点では石炭や重油を使っていた用途に天然ガスとかを使うようにするのが現実的であるように思われます。かつてタクシーの燃料に天然ガスを使う事があったように記憶しています。航続距離は短いらしいですが、近距離の通勤等が殆どの人はそれにして、たまの遠出にはレンタカーを使えば良いのではないかとも。逆にEVでもその電力を石炭や重油で作ったら相当「減殺」されるのでは。
後どこかで独戦艦シャルンホルストに関して「戦艦は政治に殺される」という記事を見た記憶がありますが、自分は「EVは政治に殺された」のではないかと思っています。じっくり育てれば大輪の花を咲かせたのでしょうが、欧州が日本車を締め出すために利用しました。その結果蓄積された経験といった持たざる者が持つ事が困難な優位性を「自ら」捨ててしまい、そういった蓄積の無い中国を有利にしてしまいました。その中国は経済的合理性など関係無く共産党(習近平)がやれと言えばやるしかない国です(かつて「大躍進」もありましたし)。「開発・生産⇒販売⇒利益⇒開発・生産(以下同)」のサイクルなど跡かたなく壊されてしまうでしょう。何せ鉄鋼は日本の生産量に匹敵する量を「余らせて」いると聞いていますから(鉄鋼会社を日本なんかに渡さないと息巻く米は未だ夢の中か)。先進国は「物を作る・付加価値を生み出す者」ではなく、「その上前を撥ねる者」に主導権を握らせる事でものづくりを衰退させてきましたが、中国によって「壊滅」に至るのではないかと。
https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/shigen_nenryo/sekiyu_gas/sekiyu_shijo/pdf/007_02_00.pdf
若干古い資料ですが大雑把に言って航空燃料とガソリンだと10倍使用量が違います。軽油も足すと10数倍、20倍近く異なります。
実際は国際線で現地で給油する分が入っていないので航空燃料はざっくりですがこの2倍位使用している事になりますけど。
詳細はこちらの統計を見ていただくほうが良いと思います。
自動車が年間で飛行機が月間なのがややこしいですが。
自動車(年間)
https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0003181421
航空燃料(月間、海外給油分込)
https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0003173926
自動車に回すには相当生産規模を増やさないと無理でしょう。
原料と作る所と作るための電力がある前提ですが。
ちょっと国内では無理では?海外でも厳しいかと。
個人的にはSAFにしても航空燃料全て賄うには全く足りないし
航空燃料に混ぜて混合燃料にする感じが精一杯でしょうが
SAFも高価なのと生産量で将来的に見ても半分も賄えないのではと思います。
自動車は日本だけに限ればブラジルからアルコール混合燃料を買ってくるほうがマシだと思いますよ。多分10年以内にだぶついてくるのではと予想していますから。そうなったら売れなくなった燃料を買ってもらえるからブラジルは喜ぶでしょう。SAFよりずっと安く供給できるでしょうし。因みに今の国内販売の日本車はアルコール混合でも問題ない作りになっているはずです。海外では混合燃料も結構売っていますからね。海外に売っていない軽自動車や兄弟車の無い国内専用車は分かりませんが。
https://trafficnews.jp/post/134840
後編もあるようですがご参考まで。
「早稲田大学は軍事企業、原発関連企業との連携協定を破棄せよ!」教員らが署名活動
https://news.yahoo.co.jp/articles/eca5438318123cfe417bdf0cb90abfb28bf10ba2
既得権益もそうだがこういう輩も技術発展に足を引っ張るんだよな。
んで、日本学術会議が日本で軍事技術開発を徹底的に否定してたくせに中国の軍事技術開発には加担してることにダンマリなのは笑止の至り。