月光仮面気取りの日本の防衛装備品は輸出拡大できない。

いかにも頭が悪い日経の記事です。
軍事産業を知らない記者のこたつ記事です。

防衛装備品の輸出拡大急ぐ 政府、国内産業の育成狙い
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA198LZ0Z11C24A2000000/

>政府が国内の防衛産業を育てるため、防衛装備品の輸出拡大を急いでいる。米国へのミサイル提供、英国とイタリアとの次期戦闘機の共同開発に乗り出し、インド太平洋諸国向けの布石も打つ。

>14年の移転三原則の制定から初の抜本改定で、他国の特許で製造する「ライセンス生産品」の輸出を米国以外の特許国向けにも認めた。殺傷力のない防衛装備の部品を輸出できるようにした。

>国内の防衛産業の基盤が整えば自前で調達できる選択肢が増え、米国製の装備品への依存度の低減も狙える。自衛隊の装備品は米国からの輸入が増え、防衛費を圧迫する要因にもなっている。

>24年度予算の契約ベースで19%ほどが米国からの購入の完成品や部品だ。戦闘機など高額な装備も多く、米国の「対外有償軍事援助(FMS)」を使った購入は20年度の4713億円から25年度予算案の概算要求では9108億円に膨らんだ。


>オーストラリアを巡っては豪海軍が導入を検討する次期フリゲート艦の共同開発・生産をめざす。海上自衛隊の「もがみ」型護衛艦をベースに国内企業と計画を練っており、豪州側の共同開発相手の最終候補にドイツとともに残っている。

>東南アジア向けはフィリピンに三菱電機が製造した警戒管制レーダーを納入した。ベトナムには陸上自衛隊の資材運搬車を供与すると合意した。

>装備品の米国依存の低減には不安材料もある。米国でトランプ氏が年明け1月に再び大統領に就くことだ。

>トランプ氏は1期目に米国から装備品を購入することを日本に迫った。17年11月、都内での日米首脳会談後の記者会見で「安倍晋三首相はこれから装備を大量に米国から購入することになる。米国の雇用創出も期待できる」と話した。

>日本は事実上この要求に対応する形で、最新鋭ステルス戦闘機F35を105機追加調達すると決めた。

>トランプ氏は次期政権の重要課題に「米国の製造業を取り戻す」ことを据える。再び日本をはじめとする国に米装備品を売り込んでくる可能性は高い。


そもそも頭がオカシいレベルの防衛省や自衛隊が主導して開発させた、低性能、低品質で調達コストや維持コストが数倍から1桁高い国産装備が売れるわけがないでしょう。

しかも輸出生産では「我が国の進んだ兵器が海外で拡散してはいけない」とかの勘違いがプンプンです。ですから非殺傷装備に限るとか間抜けなことをいっているわけです。殺しません、許しますとか君等は月光仮面か?みたいな話です。

散々日経はUS-2やC-2が売れそうだの与太記事を書いてきて未だに反省していない。
FMMの改良型も採用されるのは難しいでしょう。システムは全部外国製になるわけです。その協業作業を三菱重工ができるのか?対してドイツのMEKOはそういう輸出専用ですからいかようも対応できる。日本に利点があるのは地理的に近いこと、円安で安くあがるかもぐらいです。仮にFFMが採用された場合に、日本仕様とオーストラリア仕様では性能は月とスッポンとなるでしょう。それを我が国も採用するほうがよろしいかもしれません。

そして防衛省には防衛産業に事業統合しろとか、海外市場で勝負しろとかメーカーとして
自立しろという話はできずに、利益率を上げるとかやっているわけです。重度の糖尿病患者に酒を飲ませてケーキ食わせるようなものです。

先に挙げている陸上自衛隊の資材運搬車を供与は輸出じゃないしな。たった2両を無償譲渡しただけ。で相手の方を呼んで自衛隊とメーカーで研修。効率が悪すぎます。相手も迷惑でしょう。単に防衛省、汗かいてますみたいなアリバイ工作でしかない。
https://japan-indepth.jp/?p=84403

どうせなら中古譲渡するならば数十両は行うべきです。そのうえでパーツの道筋をつけて、更に新品も買ってもらうとかの構図を描くべきです。譲渡した分はメーカーに発注すればメーカーも儲かる。
そしてベトナムで運用した結果をリサーチして改良するなどして輸出市場を目指すべきです。そのためにはメーカーの諸岡を支援する必要もあるでしょう。商社を噛ませていい。
例えばこれの電動型を開発したり、それを更に無人車両化して売り込むとかあるでしょう。
そういうことを防衛省は全くやる気がない。

軍事産業に全く興味と知識がない記者が、作文した記事を多くの読者は日経のブランドで信じ込んでしまう。まったく罪が深い。

トランプに米国製兵器を押し付けられるから輸出はいかがなものか?馬鹿はやめてほしい。アメリカに忖度するなら他国にも兵器の輸出やめるか?こういうオツムの弱い記者やデスクが記事を書くなといいたいです。別に装備を輸出したから米国が怒るわけでもない。例えば軍用トラックなんて火の出る玩具じゃないし、どこに輸出してもアメリカを刺激するわけではない。

防衛費をGDPの3%にしろとか云うのは内政干渉で相手にする必要はない。だったら米軍に貸している土地の使用料を取るし、横須賀や佐世保での艦艇補修費用を10倍に上げればいい。それに調達は米国以外に移しますといえばよろしい。そういうのを「交渉」といいます。相手のいうことに狼狽して頭を下げるのは交渉ではありません。

更に申せば、アメリカの製造業を再び偉大にするのであれれば強欲種本主義を見直すべきです。株主の短期配当と経営者の利益だけを極大化するために、中長期の研究開発費をけずり、設備投資をせず、従業員の教育や能力の強化に投資すべきだ。まずは自社株買いを禁止すべきだ、石破さんはトランプにそのようにいうべきです。
強欲資本主義を野放しにするのであれば米国では金融業しか残らないでしょう。



■本日の市ケ谷の噂■
本年陸自では手榴弾訓練で事故死者がでたが、運用見直せば安全です!とバックレて責任は現場に負わせて、幕引きを図ったが、事故で使われたM26より古く、破片が不規則に200メートル以上も飛んで危険だからと米軍が使用を中止したMk2も使い続ける予定だった。だがキヨタニが会見で中谷大臣にその危険を追求した結果か、新型手榴弾を採用して旧型を廃棄する方向に転換、との噂。


財政制度分科会(令和6年10月28日開催)資料
防衛
https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia20241028/01.pdf
防衛(参考資料)
https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia20241028/03.pdf

財政制度分科会(令和6年10月28日開催)資料
防衛
https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia20241028/01.pdf
防衛(参考資料)
https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia20241028/03.pdf


Japan in Depthに以下の記事を寄稿しました。
海自の無人機、MQ-9Bの調達とインド軍の調達の違い
https://japan-indepth.jp/?p=85823

 European Security & Defenceに以下の記事を寄稿しました。
Japanese MoD selects Beechcraft T-6C as the JASDF’s new primary trainer
https://euro-sd.com/2024/12/major-news/41765/japan-selects-t-6c-for-jasdf/

Japan in Depthに以下の記事を寄稿しました。
航空自衛隊 次期初等練習機選定は審査が僅か一ヶ月で試乗もなし
https://japan-indepth.jp/?p=85525

月刊「紙の爆弾」12月号に以下の記事を寄稿しました。
税金を浪費して欠陥機を導入防衛費「GDP比2%」無駄遣いの全実態
紙の爆弾 2024年12月号 [雑誌] - 鹿砦社
紙の爆弾 2024年12月号 [雑誌] - 鹿砦社

Merkmal(メルクマール)に以下の記事を寄稿しました。
自衛隊「職務中の死亡事故」はなぜ止まらないのか?4月のヘリ墜落で8人死亡、背後に潜む人災の実態とは
https://merkmal-biz.jp/post/77927

Japan in depthに以下の記事を寄稿しました。
新聞テレビが報じない自民党の防衛費GDP比2パーセント公約の撤回
https://japan-indepth.jp/?p=84903

Merkmal(メルクマール)に以下の記事を寄稿しました。
航空自衛隊のT-7後継機取得 「官製談合」疑惑が再燃するなか、透明な入札は実現できるのか?
https://merkmal-biz.jp/post/77504/2

東洋経済オンラインに以下の記事を寄稿しました。
「自衛隊員の手榴弾事故」現状の対策は不十分な訳
旧式の危険な手榴弾が訓練でも使用されている
https://toyokeizai.net/articles/-/831217


Merkmal(メルクマール)に以下の記事を寄稿しました。
率直に言う 陸上自衛隊の戦車は「全廃」すべきだ
https://merkmal-biz.jp/post/77045
「石破首相 = 軍事オタク」は本当か? 防衛知識ゼロの他政治家が国を守れるのか? 石破氏を長年知るジャーナリストが“真実”を語る
https://merkmal-biz.jp/post/76790

月刊軍事研究に「ユーロサトリでみた最新MBTの方向性」を寄稿しました。
軍事研究 2024年 11 月号 [雑誌]
軍事研究 2024年 11 月号 [雑誌]

Japan In Depthに以下の記事を寄稿しました。
防衛省、ベトナムに「資材運搬車」を提供
https://japan-indepth.jp/?p=84403
「軍オタ」が歪める防衛議論(前編
https://japan-indepth.jp/?p=84282
軍オタが歪める防衛議論(後編)
https://japan-indepth.jp/?p=84315

European Security & Defenceに寄稿しました。
https://euro-sd.com/2024/09/major-news/40266/jgsdf-calls-for-numerous-afvs/

東京新聞にコメントしました。
兵器向け部品の値段「見積り高めでも通る」 防衛予算増額で受注業者の利益かさ上げ 「ばらまき」と指摘も
https://www.tokyo-np.co.jp/article/352551

月刊ZAITENに寄稿しました。
https://www.zaiten.co.jp/latest/

東洋経済オンラインに以下の記事を寄稿しました。
海上自衛隊の潜水艦メーカーは2社も必要あるか川重の裏金問題で注目される潜水艦の実態
https://toyokeizai.net/articles/-/774627

月刊軍事研究8月号に防衛省、自衛隊に航空医学の専門医がいないことを書きました。
軍事研究 2024年 08 月号 [雑誌]
軍事研究 2024年 08 月号 [雑誌]


Japan in Depthに以下の記事を寄稿しました。
「敵に手の内をさらさない」という防衛省、自衛隊の「敵」は国会と納税者か
https://japan-indepth.jp/?p=83101
新聞各紙 残念な防衛関連の未検証記事
https://japan-indepth.jp/?p=82844
日本の報道の自由度が低いのは記者クラブのせい
https://japan-indepth.jp/?p=82748

次期装輪装甲車、AMV採用を検証する その2 AMVのライセンス生産によって日本の装甲車事業は壊滅する
https://japan-indepth.jp/?p=81695

次期装輪装甲車、AMV採用を検証するその1
駿馬を駄馬に落とす陸自のAMV採用
https://japan-indepth.jp/?p=81667

東洋経済オンラインに以下の記事を寄稿しました。
航空専門医がいない空自に戦闘機開発はできない
やる気のある医官が次々に辞める自衛隊の内情
https://toyokeizai.net/articles/-/744651

この記事へのコメント

マリンロイヤル
2024年12月24日 18:30
>>運用した結果をリサーチして改良するなどして輸出市場を目指すべきです。

ウクライナにも供与してましたが、結果のリサーチはどうなったんでしょう。輸出に必要なのはコンバットプルーブンですよね。
ミスターフリゲート
2024年12月24日 19:30
参考に
韓国・台湾1人当たりGDP、日本を逆転 日経センター
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM177RX0X11C24A2000000/

【悲報】日経センター去年の予測「1人当たりGDPで日本が韓国台湾に抜かれるのは2030年代」→結果
http://blog.livedoor.jp/itsoku/archives/62036855.html

防衛産業には敵わず、一人あたりのGDPも順位落とし、NHK曰く「日本は韓国にありとあらゆる指標で負けてます」らしいし、ホントこの国に何の取り柄があんの?
どうすりゃ良くなったり、順位が上がるんだ…。

ひゃっはー
2024年12月24日 19:43
「月光仮面」は自衛隊にもいますよ。小銃は人を殺すためではなく、自分の身を守るためにある、と堂々と言っていた頭のおかしい中隊長がいましたもん。だったら、人を殺せん小銃でどうやって自分の身を守るのよ。じゃあ自衛隊の小銃は夜店で売ってる水鉄砲でいいじゃん。
Goodman80
2024年12月24日 21:54
Railgun Ammo-Firing 155mm Air Defense Cannon Set To Be Awarded To BAE Systems
https://www.twz.com/land/railgun-ammo-firing-155mm-air-defense-cannon-set-to-be-awarded-to-bae-systems
155mm自走砲とレールガン技術を応用した迎撃システムをBAeに米軍が発注し、もうすぐ完成する様です。
陸自も155mm自走砲で対空攻撃を行うものの開発を行っており、レールガンならもう試験中です。この程度のシステムなら簡単に開発してしまうでしょう。流石自衛隊この程度の事はもう検討済だったのですね。
Goodman80
2024年12月24日 21:59
クリスマスイブ、暇なら“電磁砲”はいかが? 装備庁、レールガンの最新研究資料を公開
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2412/24/news189.html
どうしよう、カンドーし過ぎて今夜寝れないかもしれない( ;∀;)。アッハッハッハー、もう中国など敵では無い!
偽陸士
2024年12月26日 00:41
■本日の市ケ谷の噂■

清谷様。
お手柄に御座います。
この様に危険な装備を討取られた事。
現場の隊員にとっても慶賀すべき事です。
また亡くなられた隊員の犠牲が無駄に成らなかった事がせめてもの救いです。

にしても運用改善で誤魔化してまで、Mk2を使い続けようとは。
保守ってやはり人で無し揃いらしい。
Goodman80
2024年12月26日 08:31
自衛隊装備の国産化進めよ 元航空幕僚長・田母神俊雄氏が講演 栃木『正論』友の会
https://news.yahoo.co.jp/articles/ee217c37edca28fb373baf2c102f6ba86a76a3cc
>自分の国は自分で守れる体制をつくらなくてはならない
それは良いとは思うんだが、こんなのが元航空幕僚長やってたんだから、自衛隊自身でも浄化など夢のまた夢。国産技術のレベルを知らないのか、国産企業に取り入れたいだけなのか、予算を何倍にしようが、こいつらが全て食い潰すだけ。