財務省、財政制度分科会(令和7年11月11日開催)防衛「資料」を読むその10
本年も恒例の財務省、財政制度分科会(令和7年11月11日開催)防衛「資料」を読んでいきます。総理が高市氏、財務大臣が片山氏で「責任ある積極財政」を標ぼうしていますから現場は苦労しているのではないかと思います。
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P20 人口減少を踏まえた我が国の防衛体制のあり方
○ 今後若年人口が減少することが見込まれ、精強性を担保するために必要な若い労働力が希少となっていく中にあっても、自衛隊の 人的基盤を確保するためには、1自衛官の処遇や勤務環境の改善に取り組むとともに、➁無人・省人化やAIの活用等による部隊 の高度化、隊員が担うベき業務を整理した上でのアウトソーシングの推進等を効率的に実施することに加え、組織全体のスリム化を 含めた最適化を不断に行いながら、防衛力を強化していく必要。
人口減少は避けらない。だがそれに防衛省や自衛隊が十分に対応しているとは言い難い現状がある。グラフにあるように2030年には18〜32歳の人口は1800万人となり、2040年には1600万人と更に200万人激減する。
現在からみて約250万人も減じることになる。
また「18歳から60歳人口と自衛隊の定員・現員」をみれば90年代から18歳から60歳までの人口と現員はがさがっているのに定員は横ばいさがっていない。これは現場で人間が足りていない、ということだ。
防衛力整備計画(抄) (令和4年12月16日閣議決定)
I 計画の方針 5 防衛力の抜本的強化に当たっては、スクラップ・アンド・ビルドを徹底して、組織定員と装備の最適化を実施するとともに、効率的な調達等を進めて大幅なコスト縮減を実現してきたこれまでの努力を更に強化していく。あわせて、人口減少と少子高齢化を踏まえ、無人化・省人化・最適化を徹底していく。
「組織定員と装備の最適化を実施する」「人口減少と少子高齢化を踏まえ、無人化・省人化・最適化を徹底していく」とあるが、数字はそれが全く空文化していることを示している。
「防衛力の抜本的強化に関する有識者会議」 報告書(抄) (令和7年9月19日)
防衛力を支える組織構成の面では、上記の人口動態を踏まえれば、現実的に現在と同水準の人的規模を維持することはほぼ不可能であり、DX、無人アセット、 AIの積極的活用や、部外力の一層の活用などを通じて、無人化・省人化を進めていくことが必要である。自衛隊の業務のうち、 自衛官でしか出来ない分野を特定し、必要であれば組織改革をしつつ、 部外力を最大限に活用し、民間に委託した業務が平 時及び有事において機能するよう、業務が継続的かつ 70確実に遂行できる契約や制度面での枠組みを検討すべきである。その上で算出された各自衛隊に必要な人 (年度) 員の確保については、国の責務として政府を挙げて継続的に取り組むべきである 。
これらの指摘当然のことだが、換言すれば防衛省や自衛隊はそれらの取り組みが全く不十分だったといえる。例えば陸自では次々に南西方面で部隊を新編しているが、既存の部隊はそのまま残されている。多くの部隊では充足率が低下しており、北部方面隊では充足率が5割程度の部隊も多い。
海自の艦艇乗組員の不足は深刻だが手当はついていない。その現実を踏まえずに最も乗員の確保が難しい潜水艦部隊を16隻から22隻に増やした第二次安倍政権の罪は重い。更にもがみ級フリゲートでは個艦の乗員を極小化することによって、3隻に対して4組の乗員を編成するクルー制度導入するはずが、人員不足で実現していない。本来もがみ級の導入はクルー制導入とセットだったわけで、この時点でもがみ級導入は失敗したといえよう。このような現実を防衛省と自衛隊は国民に対してまともに開示していない。
現実問題として自衛隊は人的な規模の縮小は避けられないが、その方向で議論は全くされていない。
Kindleで有料記事の公開を始めました。

いずも級、22DDHは駆逐艦に非ず。 (清谷防衛経済研究所) - 清谷信一

暴力装置 (清谷防衛経済研究所) - 清谷信一

The Board of Audit reports low operational rates for P-1 patrol aircraft (English Edition) - KIYOTANI, SHINICHI
東洋経済オンラインに寄稿しました。
拡大する防衛費を防衛省・自衛隊が適切に使えていない可能性。陸上自衛隊による、銃の調達や取り扱いから垣間見える「知識不足」の疑い
https://toyokeizai.net/articles/-/911653
ソニーグループが「隠れた防衛関連企業」といわれる理由、実は同社製のある汎用品がミサイルやドローンなどに欠かせないパーツになっていた
https://toyokeizai.net/articles/-/907817
過去の著作の電子版が発売になりました。
『ル・オタク フランスおたく物語』
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DY1PJ1YL/
『弱者のための喧嘩術』
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DY1L9SPW/

防衛破綻 - 清谷 信一

専守防衛 - 清谷 信一
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P20 人口減少を踏まえた我が国の防衛体制のあり方
○ 今後若年人口が減少することが見込まれ、精強性を担保するために必要な若い労働力が希少となっていく中にあっても、自衛隊の 人的基盤を確保するためには、1自衛官の処遇や勤務環境の改善に取り組むとともに、➁無人・省人化やAIの活用等による部隊 の高度化、隊員が担うベき業務を整理した上でのアウトソーシングの推進等を効率的に実施することに加え、組織全体のスリム化を 含めた最適化を不断に行いながら、防衛力を強化していく必要。
人口減少は避けらない。だがそれに防衛省や自衛隊が十分に対応しているとは言い難い現状がある。グラフにあるように2030年には18〜32歳の人口は1800万人となり、2040年には1600万人と更に200万人激減する。
現在からみて約250万人も減じることになる。
また「18歳から60歳人口と自衛隊の定員・現員」をみれば90年代から18歳から60歳までの人口と現員はがさがっているのに定員は横ばいさがっていない。これは現場で人間が足りていない、ということだ。
防衛力整備計画(抄) (令和4年12月16日閣議決定)
I 計画の方針 5 防衛力の抜本的強化に当たっては、スクラップ・アンド・ビルドを徹底して、組織定員と装備の最適化を実施するとともに、効率的な調達等を進めて大幅なコスト縮減を実現してきたこれまでの努力を更に強化していく。あわせて、人口減少と少子高齢化を踏まえ、無人化・省人化・最適化を徹底していく。
「組織定員と装備の最適化を実施する」「人口減少と少子高齢化を踏まえ、無人化・省人化・最適化を徹底していく」とあるが、数字はそれが全く空文化していることを示している。
「防衛力の抜本的強化に関する有識者会議」 報告書(抄) (令和7年9月19日)
防衛力を支える組織構成の面では、上記の人口動態を踏まえれば、現実的に現在と同水準の人的規模を維持することはほぼ不可能であり、DX、無人アセット、 AIの積極的活用や、部外力の一層の活用などを通じて、無人化・省人化を進めていくことが必要である。自衛隊の業務のうち、 自衛官でしか出来ない分野を特定し、必要であれば組織改革をしつつ、 部外力を最大限に活用し、民間に委託した業務が平 時及び有事において機能するよう、業務が継続的かつ 70確実に遂行できる契約や制度面での枠組みを検討すべきである。その上で算出された各自衛隊に必要な人 (年度) 員の確保については、国の責務として政府を挙げて継続的に取り組むべきである 。
これらの指摘当然のことだが、換言すれば防衛省や自衛隊はそれらの取り組みが全く不十分だったといえる。例えば陸自では次々に南西方面で部隊を新編しているが、既存の部隊はそのまま残されている。多くの部隊では充足率が低下しており、北部方面隊では充足率が5割程度の部隊も多い。
海自の艦艇乗組員の不足は深刻だが手当はついていない。その現実を踏まえずに最も乗員の確保が難しい潜水艦部隊を16隻から22隻に増やした第二次安倍政権の罪は重い。更にもがみ級フリゲートでは個艦の乗員を極小化することによって、3隻に対して4組の乗員を編成するクルー制度導入するはずが、人員不足で実現していない。本来もがみ級の導入はクルー制導入とセットだったわけで、この時点でもがみ級導入は失敗したといえよう。このような現実を防衛省と自衛隊は国民に対してまともに開示していない。
現実問題として自衛隊は人的な規模の縮小は避けられないが、その方向で議論は全くされていない。
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いずも級、22DDHは駆逐艦に非ず。 (清谷防衛経済研究所) - 清谷信一

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The Board of Audit reports low operational rates for P-1 patrol aircraft (English Edition) - KIYOTANI, SHINICHI
東洋経済オンラインに寄稿しました。
拡大する防衛費を防衛省・自衛隊が適切に使えていない可能性。陸上自衛隊による、銃の調達や取り扱いから垣間見える「知識不足」の疑い
https://toyokeizai.net/articles/-/911653
ソニーグループが「隠れた防衛関連企業」といわれる理由、実は同社製のある汎用品がミサイルやドローンなどに欠かせないパーツになっていた
https://toyokeizai.net/articles/-/907817
過去の著作の電子版が発売になりました。
『ル・オタク フランスおたく物語』
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DY1PJ1YL/
『弱者のための喧嘩術』
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DY1L9SPW/

防衛破綻 - 清谷 信一

専守防衛 - 清谷 信一
この記事へのコメント
https://dot.asahi.com/articles/-/270819?page=1
全く持ってご尤も。
それが理解できない日本人のなんと多いことか。
ネトウヨだらけになったと言うべきなのか、
中国憎しで正常な判断ができなくなったと言うべきか。
ご参考まで。
防衛省自衛隊の最も大きな問題の1つがこれでしょうね。
基地や駐屯地が無くなると税金と人口が減るとか嘆く自治体と
将官のポストを減らしたくない自衛隊の合作が今日の野放図を描いたのかと。
一応米軍だって無駄な基地や部隊の削減を地味に行っているんですけどね。
そりゃ無くなる方は困ると言うでしょうけど今のままだと自壊するのが目に見えている。
早急な見直しが必要だと思いますがね。
そもそも駐屯地って有事があれば移動するからそれまでの仮の場所って意味だったかと。状況により駐屯地が移動するのは普通ではないかと思う次第。
駐屯地の敷地をそのまま残し南西方面に人員も設備も移動して駐屯するのは良いのではないでしょうか?(笑)。
留守番に使えない将官を1人だけ残して雑務をさせるとポストの数もそのままで良いかと(爆)。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC022C30S5A201C2000000/
とうとう日本にも上陸。
自衛隊で雇えば足しになるかも?(爆)。
日本はホンダのアシモがピークでしたね(遠い目)。
あとは落ちていく一方...
ご参考までに。
https://diamond.jp/articles/-/375852
むしろこの程度の危機感なのかと外野からは見えるけどね。
どれだけ呑気なのかと。
三菱は早抜けできたでは無い。撤退するしかなかった負け犬。
世界最大の自動車市場である中国から逃げ出すと言うことは
中国車に勝てずに敗走するというのと同義語で、けして転進では無い。
全滅させられたというのが正しい。
既に日本車メーカーの多くが中国に取り込まれたと言って良い。
トヨタもだ。bZ3こそ電池はBYDだけと言っているが他のbZ3X,bZ5,bZ7、これから出てくる中国開発のレクサスブランドの車含めて全て中国メーカーのOEMでトヨタの技術がほぼ入っていない車になるのだが。
どこもかしこも危機感が薄くて呆れる。
日本の自動車産業も10年持ちそうにない。
トヨタはランクル系しか作らない(作れない)会社に落ちぶれるかもね。軽装甲機動車後継と1/2トラック位は維持できるか?
ご参考まで。
https://gendai.media/articles/-/160986
一旦は少し円高に振れましたが今はまた元に戻ったようで。
実は同じく危機感を抱いていてガクブルしているのですが...
とうとうタヌキの葉っぱと看破されたか?!
どうなることやら。
ご参考まで。
https://news.yahoo.co.jp/articles/6b8e978a046c327a6ec7fa2fe93ee5eac4c258eb
つまり日本はとっとと中国に土下座して今後未来永劫中国に依存し続けるべき、一切逆らうなってことなんかね。
やれやれさん
>これから出てくる中国開発のレクサスブランドの車含めて全て中国メーカーのOEMでトヨタの技術がほぼ入っていない車になるのだが。
何を根拠に全て中国メーカーのOEMって言い切るんでしょうか。現地法人の共同開発とか中国のいいコンポーネントを組み合わせてるって感じでは。
>日本の自動車産業も10年持ちそうにない。
トヨタはランクル系しか作らない(作れない)会社に落ちぶれるかもね。
危機感は持ったり最悪の想定をすべきですが毎回あまりにもネガティブすぎて賛同しかねます。個人的は最低でもトヨタ、スズキ、ホンダ辺りは残るとは思いますが。
それに自動車産業がそう言う見方なら、何で埋め合わせで稼ぐべきと考えで?
というよりやれやれさん、ヤフコメでkqv********のペンネームでコメントしてるのはもしかして貴方では?
>危機感は持ったり最悪の想定をすべきですが毎回あまりにもネガティブすぎて賛同しかねます。個人的は最低でもトヨタ、スズキ、ホンダ辺りは残るとは思いますが。
甘い見通しで立案した対策は物の役に立たない。
ネガティブ過ぎる事など無い。
>それに自動車産業がそう言う見方なら、何で埋め合わせで稼ぐべきと考えで?
トルコのバイカーにラジコンエンジンを売り込み、あわよくば空飛ぶクルマの生産に食い込むのです。
米軍の若い兵士が退職すればドローン産業の即戦力ですが、陸自で大特取っても建設業や公共事業は先細り。
日本は余りに時間を無駄にし過ぎた。
かくなる上は軍民上げて無人機に全振りすべきだろう。
ついでに陸自はUH-2をキャンセル、UH-60は海自に譲渡。
民間や自治体のドクターヘリと同じ機種に装備し直し、
パイロット不足を解消すべし。