海自にLCACの後継は必要ない。

海自にLCACの後継として同様な装備は必要ありません。
そもそも次世代の揚陸艦がどのようなものかも決まってません。


海自の上陸艇「そろそろ替えません?」 英老舗メーカーが新型を“積極提案” 独占インタビューで幹部が語った「日本が受ける恩恵」
https://trafficnews.jp/post/620281/3

>LCACはすでに運用開始から20年以上経過しており、艦齢延伸改修を行っているとはいえ、後継装備の必要性が高まりつつあります。そこで、日本に売り込みをかけてきているのが、イギリスの老舗ホバークラフトメーカーであるグリフォンマリーン(Griffon Marine)です。同社は、自社開発のホバークラフトである「ワイバーン(Wyvern)」を日本向けに提案しています。

>現在海上自衛隊が運用するLCACは製造元であるアメリカ企業からの支援を受けることが出来ておらず、運用に苦労しているといいます。

>「海上自衛隊が現在運用しているLCACは、すでに20年以上にわたり運用されており、現在では陳腐化しています。また、製造元の企業からの支援は、ほとんど、あるいは全く提供されていないため、整備が大きな課題となっています。

>残念ながら、ライフサイクル全体を通じた支援が十分に検討されず、かつサプライチェーンによってそうした支援が確実に担保されていない場合、これほど運用開始から年月が経過した装備品は、特に予備部品や各種システムが陳腐化し、代替手段も存在しない状況において、所定の即応態勢のレベルを維持することが極めて困難になります」

>「海上自衛隊とのあらゆる将来的なプログラムにおいて、日本企業との協力はごく自然な要素になると考えています。日本は強固な産業基盤を有しており、通信・航法システムからポンプ、照明装置に至るまで、国産部品をワイバーンに統合できる可能性があると見ています。エンジンやプロペラといった大型機器については海外製となりますが、これらについても日本国内での支援体制を確保することが可能です。その結果、ワイバーンには日本製部品を相当な割合で組み込むことができるでしょう。

 すでに、日本国内のサプライヤーから部品を調達する可能性について検討を開始しており、これにより、海外サプライチェーンに依存することなく、日本国内で将来的な支援を確保することが可能になると考えています。当社としては、船のライフサイクル全体にわたる支援を行うというコミットメントを揺るぎなく維持します。当社チームは、これまで複数回にわたり日本企業への接触・訪問を重ねており、この分野における実質的な協力機会があると認識しています」

LCACのような大型のエアクッション艇は海自には不要なのはいくつか理由があります。
1) 価格とても高価
2) 維持運用費が高価。燃料をがぶ飲みするし、整備も複雑
3) スカートの破損や交換などもあり通常の船舶より必然的に稼働率が低い
4) 大型だと揚陸できるビーチが限られている。後進ができないので一定の広さがないビーチでは方向変更ができないので運用できない。
5) 長距離の航行に向かない。

などがあります。これらのマイナス要因を上回るメリットがあるとは思えません。例えば6隻導入しても常時使えるのはせいぜい3〜4隻でしょう。買った後の維持運用費用もずっしりと予算を圧迫します。
むしろ通常の揚陸艇の方が便利だし、運用コストも安い。
例えば英海軍、海兵隊で運用しているMk.10 LCU(汎用揚陸艇)とMk.5b LCVP(車両人員揚陸艇)クラスが便利でしょう。
Mk.10 LCU (Landing Craft Utility)は大型の揚陸艇で、主力戦車1両、車両4台、または兵員120名を輸送でき、排水量は240トンです。Mk.5b LCVPは兵員35名または6トンの物資を輸送できます。
海上自衛隊向けの新型揚陸艇(機動舟艇)が採用されたBMT社は全長20メートルで排水量45トンの人員揚陸艇を提案しているようです。24名あるいは軽車両2台程度が輸送できます。航続距離は450カイリ、巡航速度は25ノットです。

サイズや運用が似ている英海軍や海兵隊の運用が参考になると思います。無論地球の裏側で作戦をする想定の英海軍や海兵隊とは運用がちがうでしょう。ぼくが取材してきた感触ではワイバーンの採用はないでしょう。またサーブ社の高速装甲ボート、CB90なども便利でしょう。要は南西諸島で主として使える機材で、長距離の移動が可能であり、運用コストが安い舟艇のポートフォリオを考えるべきです。

既に導入されている 機動舟艇を主軸にするのも手でしょう。全長約30m、幅約8mというサイズながら、2両の重量級車両を輸送でき、航行速度は20ノット(約37km/h)です。既に導入されているから訓練や運用面では有利です。


2009年に書いた日本版海兵隊に関する記事 自衛隊に「海兵隊」を創設せよ
https://note.com/kiyotani/n/n3223ab429ea5




東洋経済オンラインに寄稿しました。
拡大する防衛費を防衛省・自衛隊が適切に使えていない可能性。陸上自衛隊による、銃の調達や取り扱いから垣間見える「知識不足」の疑い
https://toyokeizai.net/articles/-/911653

ソニーグループが「隠れた防衛関連企業」といわれる理由、実は同社製のある汎用品がミサイルやドローンなどに欠かせないパーツになっていた
https://toyokeizai.net/articles/-/907817

過去の著作の電子版が発売になりました。
『ル・オタク フランスおたく物語』
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DY1PJ1YL/
『弱者のための喧嘩術』
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DY1L9SPW/
防衛破綻 - 清谷 信一
防衛破綻 - 清谷 信一
専守防衛 - 清谷 信一
専守防衛 - 清谷 信一

この記事へのコメント

やれやれ
2026年01月06日 18:47
LCACなどエアクッション艇も浪漫枠だったとは。
まあ日本でもホバークラフトの航路無くなって久しいし、大分のはエゲレス製で何度も衝突事故でやらかして定期就航遅れで最近なんとか運用している有り様ですからね。操縦は難しいようで。
大分のも昔はガスタービンだったのが途中からディーゼルに代わり無くなってからの復活ですから。まあこちらは高速道路ができたのが大きな理由でしょうけど運行費用は結構かかったのかも?
LCACもスカートの補修が大変とか言ってましたから。
岩だらけのビーチではスカートが敗れて上陸できないし砂浜かスロープのあるところでないとうまく上陸できないのは厳しいか。
10年くらい前に防災訓練の一貫で辻堂海岸でLCACでビーチングするって言うんで長駆見に行った事がありますが、砂浜でトラックなどの車両がスタックしないように道路まで敷物が事前に敷いてあったんですよね。いくら四駆でも砂に埋まって走れない可能性もあるし結構事前準備が必要のようで。なんて実運用を考えたら使い所の方が難しいか。LCACから下ろして直ぐに活躍できる場が限られると言うか。
浪漫はあっても現実は...うーん。

一応日本にも上陸用舟艇のような輸送艇1号型って言うのがあるんですけどこれが日本に横須賀の1隻だけ(いつのまにか佐世保のは除籍されていた)。中の人に戦車運べるか聞いたら考えたこともないと言われました。せいぜいトラック程度しか想定してなかったようで。
何に使うのか聞いたら輸送任務ですけどほぼ使わないって有り様。
まあLCACがあるから上陸用舟艇は不要だと思ったんでしょう。
その結果が陸自の日本晴れとは。
本土防衛や災害救助に使うなら日本の国情にあった揚陸用舟艇を選定したほうがいいのかも知れませんね。
やれやれ
2026年01月06日 18:53
史上初! 米中などをリード!?「無人戦闘機」が近接での編隊飛行に成功 配備も近い? トルコ
https://trafficnews.jp/post/621613
将来ブルーインパルスもこういうドローンに任せたほうがいいかも?
それにしてもトルコ侮りがたし、つか日本の遅れが顕著...
ご参考まで。
KU
2026年01月06日 19:04
>海自にLCACの後継として同様な装備は必要ありません。
そもそも次世代の揚陸艦がどのようなものかも決まってません。

ガーンΣ( ̄□ ̄)!そう言えば、おおすみ級の後継艦らしきイメージ図が、JMUやら三井が発表してから、かなり経ちますけども...未だに建造します!なんて話は出て来ませんね。今のLCACも老朽化が進み、かなりガタガタらしいですけど。纏まった数の部隊を運ぶだけなら海上輸送群の各輸送艦で間に合いますよね。それに、殆どの海軍は従来型の輸送艇が主体だし。そう考えると何も、ホバークラフト型でなくても良いのかなあ。
やれやれ
2026年01月06日 20:00
「貯蓄から投資へ」ではGAFAは生まれない…日本経済が停滞し続ける本当の理由【元外資系トレーダーが解説】
https://gentosha-go.com/articles/-/73627
正論ですよ。ご参考まで。

あとちょっと聞きかじりですが、日本は不況になると企業は縮こまるようです。
その昔ですが松下幸之助が「好況よし、不況さらによし」と言ったそうでその心は好況はものがどんどん売れる、不況になると売れなくなるがそれこそがチャンスだと。全く売れなくなるわけではない。不況でも売れるものはある。不況でもお金を出して買ってくれるものを新たに作ればいい。それこそが成長に繋がりユーザーも増やせるとかなんとか。なんと前向きな。
今の日本企業はパナソニック含めて後ろ向き。完全に守りに入ってしまいお金があっても溜め込むだけ。新しい事にチャレンジしないしバラマキで金が回ってくるからチャレンジしなくても勝手に生き残れる。なら何もしない方がマシになる。そして衰退の道へ...
KU
2026年01月06日 20:12
※金正恩総書記が自らフォークリフト運転…荷台に娘ジュエ氏も乗せロシア派遣兵士称える植樹「働く指導者」アピール

https://www.fnn.jp/articles/-/983482

労働安全衛生規則違反ぢゃないか!(>_<)。日本に連れてきて拘禁刑に処さないと(違)。
KU
2026年01月06日 20:20
>>>おおすみ級後継艦

※将来輸送艦(おおすみ後継艦)としてのJMU案と三井造船案

https://ddogs38.livedoor.blog/archives/20982241.html

もう8年前になるんですね。けど全く話が進まない...。LSVやLCUを陸に押し付ける形で導入したから、取り敢えずは先送り?
マリンロイヤル
2026年01月06日 21:09
そういえば、フォークランド紛争でも上陸で一番活躍したのは、徴用されたro-ro船でしたね。空挺部隊が港湾を抑えて、ro-ro船が横付けするのが一番早いもんね。
ミスターフリゲート
2026年01月06日 21:48
言われてみれば、ホバークラフト型のLCACは百歩譲って災害復旧には使えるだろうけど戦闘には向いてないかも。上陸しようにもエンジン音がバカみたいにデカくて気づかれてしまうし、隠密任務なら尚更。先行部隊が抑えて一気に揚陸しようにも、清谷氏が言うようにコストが高い面から一般的なLCUでも良さそうだし。

むしろ自衛隊はCB90を導入すべき?
KU
2026年01月06日 22:03
>そういえば、フォークランド紛争でも上陸で一番活躍したのは、徴用されたro-ro船でしたね。空挺部隊が港湾を抑えて、ro-ro船が横付けするのが一番早いもんね。

マリンロイヤルさん

日本国内での部隊の海路輸送は、海上輸送群とPFI船舶で充分対応可能ですかね。 

※防衛省、コンテナ輸送に特化したPFI船舶を2隻確保へ 令和8年度概算要求で113億円を計上

https://funeco.jp/news/news-27621/




ガハハ
2026年01月07日 08:25
> 中国、日本向け軍民両用品輸出の規制強化-台湾発言巡り緊張続く
中国にこんなことを言われるほど落ち目ニッポン、ガハハ
世の中安倍コベ
ミスターフリゲート
2026年01月07日 08:34
ていうか、前の記事見て、皆財政再建なんてもう無理、真面目に借金返せないとか言われてるような状況なのに、自衛隊の装備はこうすべきとか戦略がどうとか言うこと自体無意味では。清谷氏も含めて。
債務不履行で財政破綻してどうせ買えない、維持できないとかってなるのに。

参考に
トランプのせいで台湾有事が現実に…「米国のベネズエラ奇襲」で日本人が年始早々突き付けられた重すぎる覚悟
https://news.yahoo.co.jp/articles/9e49b6e86dcf40023c71ff0fdbc77e4f87229dc4
Goodman80
2026年01月07日 08:56
>ドローンの国内量産化へ助成、年8万台の体制整備目指す…政府方針
安物のドローンを緑色の箱に入れて、防衛省の決めた意味不明な名称の銘版附ければ、アーラ不思議価格10倍の高級品に替わる手品が通用する限り、1/10も買えないだろうけどね。
やれやれ
2026年01月07日 08:59
ミスターフリーゲートさん、
私も小学生の頃ノストラダムスの大予言を信じていて1999年恐怖の大王が降りてきて地球滅亡するから何もしなくていいんだと思っていたことがありますが、現実には降りてきませんでした。
破綻は避けられないかも知れませんがいつ破綻するのかまでは知りようもない訳でそれまでは普通に生活するしか無いんですよ。
破綻した後は破綻した後に考えないといけないわけで、
できるだけ破綻を先延ばしするよう政府は動くべきなんですけどね...そうじゃないから頭を抱えているわけで。
まあ破綻するまでは火の出る玩具を買うんでしょうね。
破綻後はもう買えないか社会保障費を全部削っても買うか時の政府かIMFが判断してくれるでしょう。
少なくとも台湾有事があったとしても介入する余裕は無いでしょうね。自衛隊を最小限で維持するのがやっとでは?

やれやれ
2026年01月07日 10:43
UR団地に外国人が溢れかえっている…「日本人ファースト」外国人労働者なしで日本経済は回るのか「海外研究の興味深いデータが示唆する難民と労働移民の違い」
https://news.yahoo.co.jp/articles/b5999d04c645a5d23bbaf32e9a5e66597750f015?page=1
うちの団地や団地周辺のアパートにも外国人は沢山住んでいますけどね。
空き部屋の多い団地、アパートはどこもそうですよ。
誰かが住んでくれないと商売にならないですからね。

それと労働者人口は減っていくしきつい仕事はしたくない。
工事現場はもとより学生バイトの多かったコンビニや居酒屋も外国人スタッフ多数。バスやタクシーも外国人頼みになろうとしています。
人手不足の激しい所でおいそれと自動化できない、自動化にお金をかけたくない分野では安い労働者頼み。
結局日本人が来なければ外国人頼みにならざるをえなくなるってわけです。

自衛隊も規模の見直しなど抜本改革しないと徴兵制復活か傭兵頼みになるかも?
KU
2026年01月07日 10:44
>>>ドローンの国内量産化へ助成

>国内には本格的なドローンの量産拠点がなく、少量生産が主体とみられ、「供給の9割以上を中国メーカーが占めている」(関係者)のが現状だ。業界団体の日本産業用無人航空機工業会が加盟73社に実施した調査では、24年の国内生産は年間計約1000台程度にとどまる。

せめて、10年くらい前から手を付けて置くべきでしたよね...。ここまで中華ドローンに国内市場を席巻されているのに、何を今さら...としか言い様が無いですけど。
ブロガー(志望)
2026年01月11日 21:57
お邪魔します。
 もしかしたらどういった上陸戦を行うかという事も頭に無く、あたかも「準備万端で待ち受ける敵に挑む城攻め」みたいなイメージで捉えていて、ホバークラフトをチート兵器とでも見なしているのではないかと勘繰ったりもします。実際のホバークラフトは(素人が)思う以上に(陸上でも水面でも)凸凹や傾斜に対して弱いようです。個人的にはホバークラフトは上陸戦に於いて「殴り込み」よりも海岸と沖合の輸送船とのピストン輸送に向いているのではないかと思ったりもします。「殴り込み」には敵の攻撃による損傷や状況次第では捨てて撤収する事も考えて、コストを抑えた物の方が使い勝手が良いのではないかと。